パスタマンのスペシャリテ
スペシャリテ、というかコース料理の紹介ですが、先日初めて(…でもないか。しかしこれだけ気合い入れてアミューズからメインまでちゃんと作ったのは初めてかな。)パスタだけでなく、ちゃんとしたコース料理を作ってみました。いつもはあえて何でもかんでも無理矢理パスタに仕立てていたので、たまには普通にコース料理を作ってみようかなと。パスタマンと言っても、単なるプリモピアットヲタ(凄い言葉だなw)ではなく、ちゃんとコースを作ればそれなりに形にはなるというところも見せておかないとw。素人ならではの、コスト意識のまるで無い突っ走り系コースをご堪能下さい。
ちなみに上の写真は翌日の昼飯。まかないみたいなもんで、今から紹介するコースの余りものを使って適当にランチプレートにしたものです。だから盛りが豪快かつ適当w。まぁ盛りつけ一つで料理も変わるという事でw。
まずは前菜の前にアミューズ的なものから。五島の塩の副産物であるにがりの原液を使って、豆腐を作ってみました。ウニと干し海老のエキスが少し入ったウニ豆腐です。そこに(石狩産だったかな?)生ウニを飾って上からルッコラのピュレ、それにアクセントとしてタピオカを散らしてあります。濃厚な豆腐な上にウニを混ぜ込んで旨味甘みを強くしてあるので、ルッコラの爽やかな苦みが合うかなという魂胆です。これは魚豆根菜やまもとの、豆腐にルッコラを合わせるアイディアが発想の発端です。
続いて前菜。刻んだイタリアンパセリ、ローズマリー、タイムなどの香草とオリーブオイルに一晩漬け込んだイサキの切り身を炙りにして、フライパンで蒸し焼きにしたグリーン&イエローズッキーニを挟んだもの。黄色のソースはイエローズッキーニのソース。捌いたイサキのアラで取ったブロードを煮詰めてソテーしたイエローズッキーニとともにフードプロセッサーにかけたものです。このソースが思いのほか美味くて、作った自分も吃驚しましたw。見た目もなかなか綺麗に行きましたな。
プリモピアットその1。卵黄とセモリナで打った生地に、名古屋コーチンのもも肉と吉田牧場(チーズが好きな人なら知らない者はいないよね)謹製のフレッシュチーズを和えて作った餡を詰めたトルテッリ。スープはこれまた名古屋コーチンのガラで取ったスープ。そこにキノコと、鳴門金時(これがまたコクがあって美味い)を別鍋で茹でて加えました。手間もコストもハンパではないだけに、味も素晴らしく良かったね。そして、この皿は何より、吉田牧場のチーズを譲ってくれた大垣のせんべい屋の若旦那と、鳴門金時を送ってくれた徳島の妹(俺の弟の嫁)の協力なくしては出来ない皿でした。ありがとう。
プリモピアット2つ目。野菜のブロードとトマトソースで作ったリゾットにトリッパのローマ風トマト煮込みを添えました。本来トリッパの煮込みに米を合わせるのかどうかは知りませんが、やっぱ日本人はモツといえば米だよね、ってことでw。どう作ってもハズレない一品です。ちなみに振りかけられているのは5年熟成のパルミジャーノ。見た目に反して全体は結構さっぱりしているので、チーズでちょっとコク足しました。
セコンドピアット魚編。市場でいい型のキンメがあったので物欲しそうに眺めてたら、そこのばあさんに勧められるままに買ってしまったのだけど、身にもハリがあってあまりに美味そうだったので、小細工せずシンプルに塩胡椒のみでグリルしました。下にアスパラと長ネギを敷いて、キンメから出る旨味汁wを吸わせてあります。ソースは、白ワイン蒸しにした大蛤のエキスを味付けもせずそのままかけてあります。これは先日行ったファニエンテのメインでアサリの煮汁を使ってたのを思い出して使ってみました。
最後は和牛テールの赤ワイン煮込み。香味野菜やトマトソースとともに、先ほどパスタで使った名古屋コーチンのスープをさらに煮詰めて使ってます。4、5時間は煮込んだかな。下に敷いてあるのは茄子とイエローパプリカのグリルです。
この後、相方特製のセミフレッドがデザートに出てコース終了。たまにはパスタばかりでなくこういうのも楽しいし、食べる方も楽しめるでしょう。まぁそれでも俺はパスタが好きなので、あくまでパスタにこだわり続けるけどねw。パスタに入れ込んでるうちに色んな料理法を覚えていつのまにか普通にコース料理が作れるようになったわけだし(順番が違うと思うが)、パスタは原点だから。かけた手間とコストはいつもの倍以上…しかも今回は3人、いつもは8人くらい。今回は、いつも何かとウチらを気にかけてくれてる傷心の娘っ子二人を癒すために、自分の今の全能力を費やしてこんなコースを仕立ててみたけど、やるならこれ以上にトコトン拘ってやりたいし…こりゃ店なんてとても出来ないね。
4人くらいの人数なら出来るので、パスタだけでなくパスタマンのコース料理を食べたい人は、ご予約お待ちしておりますよん。何かの記念日だとか、逆にもの凄い傷心だとかだと余計気合いが入りますのでw、特にそんなタイミングでお使い下さるといいかも。