パスタ以外のピアットについて
当blogは基本的に自作パスタメニュー紹介のblogであるが、その他にもリゾットやセコンドピアット、もしくはピアットウニコにあたるような皿など、パスタ以外のメニューも作って紹介したりしている。このカテゴリーは、そういったパスタ以外のイタリアンな一皿をまとめたものである。
当blogは基本的に自作パスタメニュー紹介のblogであるが、その他にもリゾットやセコンドピアット、もしくはピアットウニコにあたるような皿など、パスタ以外のメニューも作って紹介したりしている。このカテゴリーは、そういったパスタ以外のイタリアンな一皿をまとめたものである。
最近(つっても数ヶ月前)川崎北部市場内に出来た鶏肉専門店が結構気に入っている。本店は府中の大東京総合卸売りセンター内にあるらしい(こっちも一度行ってみたいんだよなぁ)。大山や比内、コーチンや地頭鶏のモモ、ムネは勿論、スキミや内臓系まで揃えていて、1パックあたりのポーションはデカイけど勿論スーパーなんぞで買うより全然安い。そしてなにより美味い。HPを見る限りジビエ系の肉も扱ってるようなので、事前に頼んでおけばウサギでもハトでも何でも売ってくれるだろう。非常に有り難い。
良い肉が手に入れば、凝った事は何もしなくても美味いものが出来る。コーチンのガラで取ったブロードはやはりブロイラーものよりひと味もふた味も違うし、事前に良く洗えば香草の類いに頼る必要もないくらい良い香りと旨味が出る。ニンニクスライスを上等なオイルできつね色にしたら刻んだ胸肉をサッと炒め、煮詰めた上記ブロードと小さじ1ほど(ちょっと多め)の柚子胡椒を加え、湯がいてアクを抜いて適当に切った春菊と合わせるだけで、その辺のイタリアンでは足下にも及ばないソースが出来る。基本的に素材だけに頼る事をよしとしない性分ではあるが、どう考えてもそのまま食った方が美味い素材に出会えば、それに逆らうのは神々の遊びとは言えない(笑)。こちとら暇は持て余していないが、食欲と創作意欲は売る程ある。
先日(つっても年明けくらい…)実家に帰った時、偶然五島の手塩でこのblogではおなじみの、タカシのお袋さんが遊びに来ていて、数年ぶりに駄話に花を咲かせた。相変わらずの屈託の無い明るさで、話してるこっちまで元気にする力があるところは、俺が小学生の頃から全く変わってない。この母にしてこの子ありという感じだ。
そのオフクロさんから嬉しいお土産を頂いた。五島の山で撃ってきた(らしいw)猪のモモ肉(骨付き)と、何故か黒トリュフだ。なんでオバサンがこんなハイカラなものを持っているのかついぞ分からなかったが、久しぶりの黒トリュフのかぐわしい香りと、猪の鮮度を物語る鮮やかなピンクにヤラれ、翌日のパスタ会のメインとして早速パスタに仕立ててみた。
ニンニクと塩胡椒で適度な大きさに切った猪肉をソテーし、一旦バットに移して、肉汁の残ったフライパンであらためてソース作り。基本的にはニンニクと玉葱、そしてたっぷりの黒トリュフのみじん切りを良く炒めて作ったオイルソースだが、サワークリームとバターとパルミジャーノを使って旨味を補強。茹でた百合根は火を止めてから和えた。香草はパセリとローズマリー、タイム。パスタは卵黄のみで打ったセモリナ入りタリアテッレ。皿に盛り、火を入れ直した猪のソテーを添えて、黒トリュフのスライスをあしらって、仕上げに胡椒とイタリアンパセリ、オリーブオイルを軽く振って完成。味は言わずもがな。こんだけの材料使えば美味くて当たり前。それにしても、この猪肉の旨味といい、柔らかい食感といい、やはり鮮度のいい野生のものは違いますな。あらためて小野のオバサンに感謝。
猪の骨は捨てずに冷凍して取っておいて、後日鶏ガラと一緒にブロードを引く予定。
先日(つっても2ヶ月くらい前)、田中屋の若旦那が歳時で東京(つーかセンター北)に来た時、お土産にあき津の明太子と柚子胡椒を頂いた。いつも悪いね。明太子は限定の極附(きわめつけ)というやつ。これが美味いのなんのって。間違いなく明太子に対する悪しき先入観が覆されるね。もっとも、いくら美味いからといっても、とても自分で買おうという値段ではないが、お土産にはさぞかし喜ばれるだろうねぇ。
一腹食って考えた。こんだけ美味いもの、そのまま食うのは勿体ない(←普通逆だろ)。これぞ、俺が求めていた明太子パスタの素材だ。クセも雑味もなく、他の素材やソースとも馴染むし、かといって明太子独特の風味はしっかりあるので具材としてしっかり主張する。自家製のバジルペーストとの相性は最高だろう。明太子は意外と濃厚なので、そこに同じあき津の柚子胡椒(これも激ウマ)で爽やかさとさらなる刺激をプラス。バター? そんな、折角の風味を台無しにするようなものは使わない。この場合はEXVオイルの香りさえ邪魔になるので、あえてピュアオイルを使った。併せた具材は、考えに考えた挙げ句、さっと茹でてアクを抜いたどんこのみ。いつものようにホイル焼きにすると香りが主張しすぎるので、あえて茹でただけ。そして一番肝心なのは火の入れ具合。特徴的なツブツブ感に瑞々しさを残すように、最低限の熱が通った瞬間器に上げる。パスタの熱も計算しないといけない。ま、こんだけ細心の注意払って最高の素材使って作れば不味いわけが無いわ。
これが、世間の殆ど全ての明太子パスタに否定的な俺が作った明太子パスタ。これなら自信持って人に出せる。ただしコストが高すぎて滅多に作れないけどw。
世間はクリスマスですが、俺は相変わらず過去ログアップに励んでおります。これは2ヶ月くらい前かな。友人みちえ嬢が伊勢丹のイタリア展のお土産として持ってきてくれた、フレッシュポルチーニとモッツァレラ・ブッファラをオーブン焼きに仕立てたもの。パスタはリッチョリを少しだけ入れてあります。乾燥ポルチーニや良く炒めた香味野菜も併せて使えば、肉を一切使わなくても実に濃厚な味が堪能出来ます。らでぃっしゅぼーやから届いた、味の濃い田舎茄子も使ってるんで、余計な調味料を使わなくても素材の味だけでメインたり得る一皿になってます。今年の秋はイタリア展は諦めていたのでこれは嬉しかったなぁ。しっかり秋を堪能させてもらいました。
そういやそのイタリア展で、家具かなんかの産地偽装が問題になってました(これは宮崎だったか)が、あれは何だったのだろう。まぁ、イタリアとのビジネスというのは、全てがそうではないにしろ、日本人にとってそのあまりの適当さ具合に呆れるやらイラつくやらというのは、既にVietriの代理店閉鎖にともなうあれこれを端から眺めていて感じていたので、そう驚く事もない。
ああ、こないだロンドン・パリに出張に行った時にヒースロー(空港内の売店)で買ったお土産用のWalker Shortbreadが日食(日本の輸入元)のやつでワロたなぁ。どういうルートでこうなっているのは分からんが、わざわざロンドンで買う意味ないじゃん。
そしてもう一つ、イタリア展で気になったのが、今年のFOODEX JAPAN 2007でもなんと、あのVietriパスタが参戦していたという事実。そしてその後の調査(つーか噂w)で、何処のどなたか知りませんが、心ある誰かが日本でのVietriの輸入を再開したとのこと。ネット上にはまだ現れてませんが、某イタリアンレストランがそこから取り寄せたという事なので間違いないでしょう。ウチにはまだストックがたんまりあるので大丈夫ですが、コンシューマー向けにも販売してるのか気になるところです。ちゃんとした事実が分かり次第お伝えしますね。
ニンニクとイタリアンパセリの軸と一緒に白ワイン蒸しにしたアサリから取ったエキスのみ(塩分もアサリから出るものだけで十分)で作ったリゾットと、オーブンで蒸し焼きにしたブラウンマッシュルームの組み合わせという、実にシンプルな組み合わせの一品。アサリの濃厚な旨味と、蒸し焼きにした時に出るマッシュルームのエキスが混ざりあうと、何とも言えない風味が生まれる。マッシュルームは今まで見た中では一番でかいものだった。写真ではスケール感が伝わりにくいが、これで3人は食べられる量。こういうシンプルな皿だと、最後に振りかけるオイルの質なども重要になってくる。フルーティで香り爽やかでトゲのない味わいのEXVオリーブオイルを使いたい。胡椒は必ず挽きたてで。
またまた、徳島にいる妹から鳴門金時が大量に送られてきたので(いつもありがとう)、秋らしくたくさんのキノコと一緒にジェノベーゼにしてみた(これを書いてる今はすでに12月だが…)。キノコは舞茸としめじと椎茸。パスタはリッチョリを選択。野菜のみ(チーズは使ってるが)のヘルシーな一品です。美味いという以外特に書くことは無いのだがw、強いて言えば、具材はフライパンで炒めず、キノコはオーブンでホイル焼きにし、鳴門金時は鍋で塩茹でしたものをそれぞれ最後にソースと和えるだけにすることと、キノコの香りを大事にしたかったので、松の実はほんのり炒るにとどめた事と、パンチェッタは脂のコクのみ使いたかったので、しっかり炒めたあと取り除いた事くらいか…って結構言ったなw。個人的には、しっかりと味のある鳴門金時は、ジャガイモ以上にジェノベーゼソースとの愛称抜群だと思います。
最近は、川崎北部市場を歩いていると、普通にそこら中の仲買のおっちゃんから声かけられるようになった。週末しか来てない上、市場なんて多くの人、しかもイカついあんちゃんばかりが歩いているのに、やはり保護色にはならずにちゃんと覚えてくれてるようで有り難い。向こうは素人の買い物客なんていちいち覚えてもメリットないだろうに。
この日は、ちょっと高めだけど確実にいいorレアなネタを揃えている某水産のおっちゃんから声をかけられ、『いい型のムツが入ってるよ〜、あんちゃん捌けるんだろ? 持っていきなよ』と勧められるがままにそいつを見てみると、大きくはないが確かにパンパンに身の張ったいいムツであった。ことのほか安かったのでその日のパスタ会に使う事にした。
スペシャリテ、というかコース料理の紹介ですが、先日初めて(…でもないか。しかしこれだけ気合い入れてアミューズからメインまでちゃんと作ったのは初めてかな。)パスタだけでなく、ちゃんとしたコース料理を作ってみました。いつもはあえて何でもかんでも無理矢理パスタに仕立てていたので、たまには普通にコース料理を作ってみようかなと。パスタマンと言っても、単なるプリモピアットヲタ(凄い言葉だなw)ではなく、ちゃんとコースを作ればそれなりに形にはなるというところも見せておかないとw。素人ならではの、コスト意識のまるで無い突っ走り系コースをご堪能下さい。
ちなみに上の写真は翌日の昼飯。まかないみたいなもんで、今から紹介するコースの余りものを使って適当にランチプレートにしたものです。だから盛りが豪快かつ適当w。まぁ盛りつけ一つで料理も変わるという事でw。
今年2007年の夏は、猛暑と言うに相応しい暑さが続いてますな。そこで、夏バテにうってつけのメニューをということで、鶏の内臓でパスタを作ってみました。合わせた野菜は夏野菜の代表格ズッキーニ。俺的好きな野菜Best3に入る野菜です。
荒くみじん切りにした鶏のレバー、ハツ、砂肝を水で良く洗い、筋と血を綺麗に取り去り、しばらく水につけておきます。水気を切った内臓を、二つ割りにして叩いたニンニクと唐辛子と一緒に良く炒め、ズッキーニは別のフライパンで軽く塩胡椒してソテーしておきます。内臓の色が変わったら白ワインとマルサラ酒をひたひたになるまで入れ、強火で水分が無くなるまで煮て、トマトソースと煮詰めた比内地鶏のガラのブロード、刻んだバジルを投入、一煮立ちさせます。バター一かけとグラナパダーノ、焼いておいたズッキーニを、茹で上がったパスタとともに合えて出来上がり。栄養豊富でコクがあるソースながら、アッサリ食いたいということで、パスタは珍しくディチェコのフェデリーニを使用。
ポイントは内臓の下処理と序盤の炒めと、ワインを惜しみなく使う事。煮詰めたブロードは市販の鶏ガラスープで代用しても可(塩加減に注意)。まぁ自分で取った方が美味いけど。野菜は別で焼いた方が、素材の味が際立ってベター。こういうパスタを食って、血を増やして猛暑を乗り切りましょう。