バター/チーズソースについて
何故バター/チーズソースを、クリームソースと分けたかというと、一つにはカルボナーラの存在が理由に挙げられる。カルボナーラの由来とそのレシピには諸説色々あるが、俺はカルボナーラにクリームを使うのが嫌いだw。カルボナーラを食うときは、チーズと卵黄とパンチェッタから出る油の旨味とコクをしっかり味わいたいからだ。
クリームソースの項でも述べたが、クリームという素材の特徴は、その個性ゆえに料理の味を良くも悪くもマスキングしてしまう。言い換えれば味をぼかしてしまうのだ。バターやチーズそのものの味と、その時使う素材の組み合わせの妙をちゃんと楽しみたいのに、そこにクリームを入れてしまったら、全体にソフトフォーカスをかけて誤摩化した写真のようなまとめ方になってしまうような気がするのだ。
実際、日本ではクリームソースと捉えられがちなカルボナーラの他に、セージバターソースや、クワトロ・フォルマッジなど、イタリアでは定番のソースがあるが、これらにクリームを必ず使うかと言えば、そうでもない。この辺のソースを応用したものも結構作るので、ここではクリームソースと分けてカテゴライズしている。何を細かい事を言ってるのか、と思うかもしれないが、少なくともパスタ作りを楽しむためには重要な事だと思っている。