パスタ以外のピアットについて
当blogは基本的に自作パスタメニュー紹介のblogであるが、その他にもリゾットやセコンドピアット、もしくはピアットウニコにあたるような皿など、パスタ以外のメニューも作って紹介したりしている。このカテゴリーは、そういったパスタ以外のイタリアンな一皿をまとめたものである。
当blogは基本的に自作パスタメニュー紹介のblogであるが、その他にもリゾットやセコンドピアット、もしくはピアットウニコにあたるような皿など、パスタ以外のメニューも作って紹介したりしている。このカテゴリーは、そういったパスタ以外のイタリアンな一皿をまとめたものである。
ニンニクとイタリアンパセリの軸と一緒に白ワイン蒸しにしたアサリから取ったエキスのみ(塩分もアサリから出るものだけで十分)で作ったリゾットと、オーブンで蒸し焼きにしたブラウンマッシュルームの組み合わせという、実にシンプルな組み合わせの一品。アサリの濃厚な旨味と、蒸し焼きにした時に出るマッシュルームのエキスが混ざりあうと、何とも言えない風味が生まれる。マッシュルームは今まで見た中では一番でかいものだった。写真ではスケール感が伝わりにくいが、これで3人は食べられる量。こういうシンプルな皿だと、最後に振りかけるオイルの質なども重要になってくる。フルーティで香り爽やかでトゲのない味わいのEXVオリーブオイルを使いたい。胡椒は必ず挽きたてで。
スペシャリテ、というかコース料理の紹介ですが、先日初めて(…でもないか。しかしこれだけ気合い入れてアミューズからメインまでちゃんと作ったのは初めてかな。)パスタだけでなく、ちゃんとしたコース料理を作ってみました。いつもはあえて何でもかんでも無理矢理パスタに仕立てていたので、たまには普通にコース料理を作ってみようかなと。パスタマンと言っても、単なるプリモピアットヲタ(凄い言葉だなw)ではなく、ちゃんとコースを作ればそれなりに形にはなるというところも見せておかないとw。素人ならではの、コスト意識のまるで無い突っ走り系コースをご堪能下さい。
ちなみに上の写真は翌日の昼飯。まかないみたいなもんで、今から紹介するコースの余りものを使って適当にランチプレートにしたものです。だから盛りが豪快かつ適当w。まぁ盛りつけ一つで料理も変わるという事でw。
これは本来、トッピングにグリルした北品川の鴨(胡椒は全て落とす)を使うとすごぶる美味く、色合いもより綺麗なのだけど、以前作った時に写真を撮り忘れたので今回は普通に鶏もも肉の香草グリルで。そもそも北品川の鴨は普通は手に入らないしねw。でも出来れば鴨肉をグリルして使いたい。
これ、見た目はただのグリーンのリゾットだけど、比内地鶏のガラから取ったブロードを使ってるのでとても濃厚で美味い。仕上げのマンテカーレにいつも通りの量でバターを使うとむしろしつこくなっちゃうので、チーズもバターも極控えめにする。通常の要領でリゾットを作り、7、8割方煮えたところで小松菜のペースト(塩茹でして水分を絞り、バターで炒めて包丁で叩くかフードプロセッサにかけてペーストにしたもの。フープロの場合軽くブロードを入れとくといい)を入れて水分を飛ばしていくだけ。小松菜とほうれん草と両方やってみたけど、小松菜の方がクセが無くて食べやすい。ブロードさえしっかり取れれば作る上で特に難しい事は何もないけど、ペーストを入れるタイミングがミソといえばミソ。米がアルデンテになるタイミングで全体の水分が丁度良くなるようにしたい。出来上がりがゆる過ぎるとあまり美味しくない。ブロードには、涌かす時ローズマリーを一枝入れておいて香り付けしとくのが俺の好み。
やっと春かと思ったら急に寒くなったり、なんだか落ち着かない気候が続く今日この頃。作るメニューもどっちつかずになりがち。春の訪れを喜べる気分になれるような、ポカポカ陽気の日々が早く来る事を願ってます。
しかし素材は待ってくれない。どんどん香り高い春野菜が出回ってきてます。なんとなく乗らないけど、強引に気分を入れ替えて春っぽいメニューを作ってみる事にしました。イイダコと生の空豆をそれぞれフードプロセッサーにかけて荒めのみじん切りにして、魚介のブロードでリゾットに。(少し遅いですが)やっと古米を食い切って新米が届いたのもリゾットが作りたかった理由の一つ。バターやチーズは一切使わず、胡椒とオイルだけで仕上げます。やはり新米はいいですな。水分を程よく含んでいるので食感良く仕上げやすいし、弾力も甘みも申し分ない。タコから染み出る旨味と空豆の爽やかな風味の組み合わせは最強です。それにタコから出るピンク色も春らしくて気分も上がります。ポイントは、空豆に歯ごたえをちゃんと残す事。完成まで残り4、5分のタイミングで生のまま入れます。空豆がグズグズになってしまうと台無しになるので注意。米と空豆が同時にアルデンテになるようにタイミングをはかりましょう。オリーブオイルはなるべく上等なものを。
俺の弟は今、カミさんと一緒に徳島に住んでいる。年初に久しぶりにこちらに帰ってきたので、ついでにオフクロともう一人の弟、姪っ子も呼んでウチでパスタを振る舞ったのだが、彼らが徳島に帰ってしばらくして、パスタのお礼という名目で箱一杯の鳴門金時を送ってきた。砂地で育てられた、綺麗な黄金色の果肉を持つこの芋は、単にふかしただけでも、甘みが強くパサつきなど全くない芋である。確かにこの甘みはお菓子に合うと思うが、みそ汁に入れてもきんぴらにしてもとても美味しい。その芋の甘みを生かして、トリガラで取ったブロードを使ってシンプルなリゾットにした。合わせた具材は同じ徳島産の阿波尾鶏。こちらもシンプルに香草でグリルしたものを乗せた。サツマイモのリゾットは初めて作ったけど、やはり素材がいいとそれだけでとても美味しいものになる。彩りを考えて余計な緑とか入れないで良かった。バターとパルミジャーノも良く合うし、動物系の濃厚な旨味にも全く負けない。鶏の代わりにゴルゴンゾーラと蜂蜜をあしらっても美味しかろう。これも我が家の定番になりそうである。
さて、年も明けて7日経ちましたが、まだ自分ではパスタを食べてません(実家の家族に作ったけど)。昨年は本当に毎日のようにパスタを作っていたので、今年の正月はあえてジャンキーにカップラーメンだけで過ごすというのをやっていたのですw。しかし最近のカップラーメンって凄いね。あまり食った事無かったけど結構美味いのね。特に多賀野のごまの辛いそばとか九段斑鳩のやつ、フライデーの味噌、それにぜんやの塩など、フライデー以外はいずれも昔店で食った事あるけど意外に忠実に再現されてる。まぁだからといって頻繁に食うもんではないけどw、これも2006年の食体験としてプチ吃驚した出来事かな。
って、全然関係ない話ですんません。自作パスタも、もうオリジナルメニューも200を超えて、いい加減やり尽くしたような気もするが、多分また色々やりたい事が出てくるんだろうな。それほどパスタという食い物は奥深い。今回紹介するのはリーゾだけど、これはパスタでも全然成り立つメニュー。やりたかったのはズバリイタリア版モツ煮込みだ。昨年はとにかくひたすらブロードを取った年でもあったが、この和牛の小腸の下処理の時に出る出汁は、臭みさえキッチリ取り除けば本当に至高のスープになる。さらにこの出汁をベースとして他の肉のブロードとブレンドすれば最強だ。まだ完全に臭みを取り除くまでには研究が必要だが、やっとあのまるいの煮込みや鈴木屋の煮込みなどの味が遥か彼方に見えてきた。勿論味は、トマトや菜の花を使ってイタリアンに仕上げてあるけど、目指しているのはあの旨味とコクと後味の良さだ。さらに完成度を高めるには、野菜使いが重要になってくると思う。
うちには今30kgのセモリナ粉があるw。Vietri Japan閉店セールの時に社長に安く譲ってもらった、イタリア産無農薬有機栽培の最高級のものだ。そのときは既にVietriの乾燥パスタを都合60kgほど買っていたので(←アホ)、『いくらパスタ好きって言っても、店やるわけでもあるまいし、そんなに大量にどうすんだよ』と頭では分かっていながらも、その美しいクリーム色のサラサラな佇まいを見てたら、それで作られる生パスタの艶かしい表面を想像してしまい、気づいたら買っていた。
30kgの粉というのは想像以上に大量なもので、毎週のようにパスタ会と称して人を呼んではパスタを打ってみても一向に減ったように見えない。それは、俺は基本的に捏ねに機械を使わないので、100%セモリナ粉では打たず、実際には作る量の半分から2/3は強力粉を混ぜている(全部セモリナだと流石に俺の力でもとても捏ねられない)ためだ。これではいかんと思い、何か効率よくセモリナ粉を消費出来る料理はないものかと考えあぐねて思い出したのがこのローマ風セモリナ粉のニョッキである。これなら粉は100%セモリナだし、通常のジャガイモのニョッキより手軽でしかも日本人好みの味と食感なので好都合だ。なんで今まで気づかなかったのか。思い立ったが吉日、早速週末のパスタ会で披露してみた。
初の洋食メニューの挑戦しました。しかし中身はしっかりイタリアン(にしたつもり)。これからもちょくちょくこういう『洋食メニューをイタリアンの手法で再現シリーズ』をやっていきたいと思います。前々からやりたくて構想はあったのだけど、なんだかんだで今までかかってしまった。
さて、その記念すべき第一弾(で終わるかもしれんが)はオムライス。最早洋食では定番メニューですな。都内だけでもグリル満天星、杉山亭、たいめいけんのタンポポオムライス、YOUなど、様々な味、見栄えのオムライスがあります。それらはいずれも過去に食った事あり、どれもそれぞれ特徴があって美味しいと思いますが、それらとは違う、パスタマンならではのオムライスを作ってみたいなと。それがこれです。
まず、ご飯の部分はちゃんと生米から炒めたリーゾです。なぜ普通のオムライスみたいに炊いたご飯でやらないかというと、上に乗っかってくるものがフワフワ、トロトロした食感で割と濃厚なものばかりなので、キッチリとアルデンテに仕上げて歯ごたえを残さないと、食感のコントラストが出なくて締まらないからです。味付けはケチャップは使わず、自家製パンチェッタ少々とタマネギに自家製トマトソースの、アマトリチャーナな味付けで、仕上げに刻んだルッコラを入れました。卵の方に使うので、バターとパルミジャーノでマンテカーレはしません。
そのリーゾを皿に盛りつけ、上にモッツァレラのスライスを敷き詰めてオリーブオイルを振り、オーブンで焼きます。焼いてる間に、卵と生クリームとおろしたてペコリーノを混ぜ合わせ、バターで焼いてオムレツを作り、オーブンから出したリーゾに乗せます。
赤ワインとバターを熱してアルコールを飛ばし、そこにあらかじめ作っておいた自家製ポロネーゼソースを入れて一煮立ちさせ、卵の上からかけます。最後に刻んだルッコラをこんもりと乗せ、軽くオリーブオイルを振りかけて出来上がり。
やはり洋食メニューというフォーマットの親しみやすさゆえだろうか、俺の作る物のなかではかなりポピュラリティの高いもの(モテメニュー?)になった。今回は珍しく手順を書いたが、味の決め手のポロネーゼの作り方やリーゾのレシピは書いてないから、結局良く分からんわな。ポイントは、上が重たくなりがちなので、特にリーゾを如何に軽く爽やかな味に仕上げるか。まぁ詳しい作り方が知りたければ食いにおいでw。
まぁ、今時タラなんて一年中手に入るもんだが、季節的にはそのそろ真ダラの白子が食いたくなる時期である。おろしポン酢でもタラちりでもいいが、パスタマンゆえそういう選択肢はあり得ないw(わけでもないが)。ここは『サクッ、トロッ』のフリットに仕立てて、リーゾのトッピングとしよう。ただ白子だけをポンと乗せて終わりではつまらないので、ついでに身も買ってきてタラの親子丼にしてみた。写真の中央に乗ってるのが白子で周りにいつのがタラの身だ(見れば分かるか)。衣はセモリナ粉と卵とパルミジャーノ。ピュアオイルとEXVオイルと植物油を割った油で揚げた。
一方リーゾの方は魚介のブロードと菜の花。タラに菜の花なんていかにも(季節的に)あり得ない組み合わせだが、シャキッとほろ苦い菜の花とトロッと甘い白子はなかなかいいコンビでなのである。こんな組み合わせが楽しめるなんて、なんともいい時代だ。
事程左様に、今までもこのblogで紹介したメニューの中には、季節的にということだけでなく、イタリアン的にあり得ない組み合わせというのがいくつか登場している(例えば魚とモッツアレラとか)が、美味ければ何でもいい、とまでは言わないまでも、少なくとも実験の結果『アリ』だろうと思ったものだけ載せているので、分かってやってるという事だけはご理解頂きたい。