焼き岩のりの手打ちタリアテッレ生牡蠣と海のクリームソース
このメニューもこの時に作ったうちの一品。これは以前鎌倉に遊びに行く道程でゲットした秋田産の焼き岩のりを麺に練り込んで作った海のクリームパスタだ。なにしろ焼き岩のりがとても香ばしい良いものなので、さぞかし個性の強いものになるかと思ったが、いざ練り込んでみると思った以上に穏やかになって、変に和風になりすぎてもいないし、いい意味でまとまりのある皿になった。安易に岩のりを上から振りかけたりソースに溶かしたりしないで良かったw。
この皿でもう一つ試みた事は、具材とソースの切り離し。見ての通り上に生牡蠣がそのまま乗っていて、ソースも当然牡蠣から出た出汁をベースに作っているんだろうと思いきや、さにあらず。ソースは蛤とアサリのスープを取って、クールブイヨンと割って徹底的に煮詰めて旨味を凝縮したものを使っている。蛤とアサリの身も当然入ってるが、ミキサーで粉々にして分からなくしてある上、干し貝柱のエキスも入れてある。見た目はシンプルだが、実は貝素材だけで4つ使っている。シンプルな見た目に反する味の奥行きと、素材を貝に統一することでの味のまとまりを作る事にこだわった。まとめには手塩が一役買っている。こういう時にこそこの塩は威力を発揮する。