'07 茨城縦断食い倒れツアー 〜その4:二日目朝食〜
毎回こういうツアーをやる際に苦しむのが朝食の選択だ。料理で選んだホテルなり旅館なら、美味い朝食が自動的に付いてくるからまだいいものの、夕食の事さえ書けばその宿の食事については事足りるので、出来れば外の店で食いたい。朝食も、限られた食事回数の中の貴重な一食だから無駄には出来ない。というより、観光でもレジャーでも買い物でも無く食を目当てに旅してるのに、『まぁ朝はそこそこの食事でいいや』などという妥協は出来るはずが無い。かといって、いざ店を選ぼうにも、朝の8時とかに開いてる店なんてそうは無い。なかなかに難しい問題である。
そういう時に便利なのが市場である。市場なら早朝からやっていて、港なら比較的リーズナブルに新鮮な魚介が食える。趣向を凝らしたオモテナシは期待出来ずとも、捕れたての素材そのものの魅力に価値を見いだせる。というわけで、相変わらず前置きが長いが、二日目の朝食は、本日のメイン目的地である常陸太田〜奥久慈からは少し遠回りになる(かつ本当は三日目のメイン目的地の)大洗の港で朝食をとる事にした。そのために昨晩、真壁町からわざわざ水戸市内の安いビジネスホテルまで移動しておいたのだw。
もう市場には毎週のように通っているし、氷見や沼津など良い漁港にも幾度となく行っているので、大体の心得は分かっているつもりだ。手短に言うと、『市場の食事は雰囲気で食え』ということw。市場の飲食店というのは、観光客相手の店か、本当に港で働く人のための毎日の食事のためにある店の二種類に分けられる。観光客相手の店は決して安くはない。まぁ東京の一等地で食うよりは大分リーズナブルだが、わざわざ遠くまで足を運んで食う程の価値がある店というのは意外と多くない。対して港で働く人のための食堂的な店というのは確かに安くて美味い。しかし良いサービスなんて期待して行く場所ではないし、本当に食堂なので、メインは定食とかラーメンとか、『港ならではの新鮮な魚介』を期待して行くと肩すかしを食らう事もある。『市場食堂』で飯を食うというと聞こえはいいが、意外と一筋縄では行かないのである。
それでも港で食う食事が魅力的なのは、やはりそのシチュエーションの良さにある。それは気持ちよい潮風と磯の香りであったり、市場の活気であったり、新橋駅前あたりでは味わえない非日常感があるのだ。それが飯を何倍も美味くするし、実際問題食事とはそうしたものである。それを経験的に知っていれば、食事の満足度をただ味と値段だけで語るのはナンセンスこの上ない事も分かると思う。また、その土地で捕れたものをその土地で消費する事のリアリティを知っているからこそ、わざわざ旅をしてまで飯を食いにくる意味があるのだ。
◆二日目朝食:海鮮どんぶり亭@大洗港
そんなわけで(前置き長過ぎ)、朝はこの海鮮どんぶり亭という、いかにも観光客向けwの名前の店で食事をすることにした。何せ朝8時前である。いくら港といっても我々が入れる店は限られてる。少ない選択肢の中でも、この店が一番まともそうだったのでここにした。今日は昼食を二回取る予定なのでw、朝しっかり食べ過ぎてしまうと流石に俺でも辛い事になるだろう。にもかかわらず丼亭....♪俺は~俺は~バカなのか~アホなのか~....
その上、メインの丼の他に一品頼んでしまうのはサガと言おうかなんと言おうか....気持ちよい潮風の吹く快晴の港。この環境で食うこの大きさのハマグリ、勿論活きたやつを頼んでから焼く。ちょっと醤油を垂らしただけでも美味いのは当たり前。こういうのに理屈や小細工は必要ないわな。しかし、これだけ大ぶりにも関わらず、貝殻に対して全く身が縮んでないハマグリも見た事ないな。流石に大洗の旬のハマグリ。お見事。
そしてメインのスペシャル海鮮丼。どこがスペシャルなのかは良く分からないが、この内容、鮮度でこの値段はやはり市場ならでは。前述のように、毎週のように北部市場で食材買い出しついでにこんな朝飯食ってたりするので新鮮味というのは人より少ないと思うが、流石に港のすぐ側にある食堂だ。内容、鮮度ともに川崎の内陸部にあるそれとはひと味違う。その辺の喫茶店のモーニングで済まさず、わざわざ遠回りしてまで来た甲斐があったというものだ。特にボタン海老の甘さと歯ごたえは秀逸。
出だしの食事はその日一日の気分を左右する。そこに手間を惜しんではいけないというのは、食い倒れツアーの鉄則である。って、そもそもこんなツアーしない人には何の参考にもならないと思うがw。特に、繰り返すがこの日はランチのダブルヘッダーを予定している。ここから先は胃袋の陣取り合戦である。細心の注意を払って効率よく隙間を作っていかないと消化出来ない(ダブルミーニング)。気と胃腸を引き締めて次の目的地へ向かう。