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ダ・イーヴォ@恵比寿

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 昨年の相方の誕生日は、ゆるりの鮭児尽くしで祝った。今年は一転、自宅で麻婆豆腐を作ろうと思ったがw、『麻婆豆腐ではロウソクが立たん!』という事であえなく却下。普段から見境無く真剣に料理作ってると、こういう本当に特別な時に、相手に『特別』と感じさせることが難しい....痛し痒しである。ということで急遽、今年の宿題店の一つである恵比寿のダ・イーヴォに予約を入れた。この店は、表参道の名店『ナプレ』のピッツァイオーロであったイーヴォさんが開いた店。当然ピッツァが一番の売りの店である。実際、メニューを見ると、コースは無くアラカルトのみで、メインや前菜よりプリモッピアットの方が充実している。こういう売りのハッキリしてる店は有り難い。例えばコースの中にピッツァを2枚入れてメインを抜いてみたり、ピッツァ2枚とメインのみとか、その店の売りを積極的に楽しもうという姿勢で、迷わず食に臨めるからだ。ということで、今回は二人で前菜二品、パスタ、ピッツァ2枚、メイン一品という満腹コースで臨んだw。

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 まずは前菜一品目。イタリアの名女優から名を取った『ソフィア・ローレン(まんまやね』と呼ばれるオレンジとモッツァレラ、バジルの冷製。由来は知らないが、ソフィアローレン主演の名作『ひまわり(泣けるわ〜・・)』のイメージをオレンジに見立てたのではないかと想像しながら頂いた。なんでも今日入っているモッツァレラがかなりいいもののようで、それが死ぬ程美味い。そしてオレンジも大層甘い。この組み合わせは最低限このクォリティの素材でなければ成立しないんだろうな。そしてこのモッツァレラを食って確信した。今日のピッツァはさぞかし素晴らしいだろうなと。


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 続いてワカサギ、甘エビ、ヤリイカのフリット盛り合わせ。先日美かさで凄まじい天ぷらを食ってしまったので、流石に驚愕する程ではなかったが、イタリアンで食えるものとしてはかなり軽く上品で、素材の味を良く引き出す仕上がりになっている。タルタルも上品な味付けかつ濃厚で、香ばしく揚がったフリットと大変良く会う。ピッツエリアで出る前菜としては大変秀逸。日本人の繊細な味覚にとてもフィットしている。


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 パスタは手打ちが食いたかったので、鶏肉のトルテリーニ(詰め物パスタ トルテッリの小さいバージョン)を頼んでみた。ガラだけでなく丸鶏で取ったブロードは、パルミジャーノ・レッジャーノが異様に効いていて、普通のスープなら鶏の旨味が全て消し飛びそうなもんだが、ギリギリのところで鶏の風味と拮抗していてなかなかに美味い。ブロードが美味い店は信用出来る。パスタの方は詰め物の鶏肉に臭みが感じられたが、鶏の色んな部分を一緒に叩いているようで深みのある旨味が堪能出来る。トサカかモミジか軟骨のような部位がスライスされてスープに混入していて、良いアクセントになっていた。


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 いよいよお待ちかねのピッツァその1。先ほどの素晴らしいモッツァレラと、なんとも滑らかで深みのある味わいのトマトソース、そしてフレッシュバジリコの定番の組み合わせに、モルタデッラというハムのスライスを乗せた、『エミリアーナ』と名付けられたピッツァ。いやぁ素晴らしい。やはりこのモッツァレラの美味さは尋常じゃない。生地が、今まで食ったナポリ風ピッツァの中で一番薄く仕上げられた上品なものだったので余計に際立つ。ただし、いわゆる耳の部分のモチモチ感は流石で、薄い中心部分との対比が素晴らしい。流石ナプレを有名にしたピッツァイオーロ、やはり腕はハンパではない。


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 とにかくこの日のモッツァレラをもっと堪能したいということで、『他にモッツァレラを楽しめるピッツァない?』と言って勧めてくれたのがこれ。こちらはラパ(菜の花のような野菜)の茎の部分と、クミンの効いたサルシッチャを組み合わせた『クオレ・ナポレターナ』と呼ばれるピッツァ。具材がともにクセの強いものなので、先ほどのモッツァレラありきの味構成ではないが、モッツァレラが、主張の強い二つのトッピングを裏で上手くまとめる役目を果たしていて、先ほどのものとはまた毛色の違う美味さ。生地、チーズともにしっかりしたものなればこそのメニューだ。ブラーヴォ!


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 そして最後にメインに頼んだ茨城産餅豚のグリル。その名の通りのモチモチの肉質と適度な甘み/重たさがとても美味しい。こういう肉は素直に塩胡椒とレモンでグリルにして食うのが一番である。が、こういうストレートな味わい方ならもう少し厚めに切って欲しいのと、そうでなければソース等にもうひとひねりあってもいいかなぁとも思う。まぁ基本的には文句はないのだが、トリを飾るメインらしい華には少し欠けるかな。あ、横に添えられた、生ハムで巻いたニンニクの芽の意表を突いた美味さは印象的であった。


 本当はメインの後にドルチェと行きたいところだが、調子に乗ってピッツァを二枚もいってしまったので、胃袋に余分がスペースが無く断念。この日は誕生日のテーブルがウチの他に二組いて、その二組ともイタリアンらしく店員全員に大声で歌ってもらっていたが、その流れで3組目を名乗り出るのは流石に恥ずかしかったので、申し訳なかったけど相方には断念してもらった。お詫びに、帰り道に俺がソロで大声で歌ってみたが、全く喜んでいなかったのは言うまでもないw。

 俺は、こういうサイトをやってるという事もあるけど、やはりどうしてもイタリアンで感動する事が少なくなるというか、グッとくるハードルが他の料理カテゴリーに比べて高くなりがちである(だから『行ったけど載せてない店』は数多い)。が、この店は感動出来る部分が比較的多いと言える。当たり前だがピッツァは特に素晴らしい。これだけ食って相方はワインを一皿につき一杯飲んで一人10000円というのは、このクラスの料理を出す店としては値打ちがあると言えるのではなかろうか。特にモッツァレラなど素材の質の高さは好印象。ただ、どちらかというとその素材の良さを直球に生かす方向の料理が多いので、もう少し奇をてらったアレンジを施しても、この素材力なら十分説得力のあるものに出来ると思うのだが。その辺は何度か行って別の傾向のメニューを食ってみないと何とも言えない。
 ホスピタリティについても、店員の良い意味での気さくさというか馴れ馴れしさというかw、フランクさは(人によっては嫌いかもしれないが)俺は好感が持てたし、素材や料理法について質問してもちゃんとした答えが返ってくるし、キビキビと若々しい動きもいい。ただ、注文前の最初に『本日のお勧め』を、口頭で10皿くらい一気に捲し立てるのは、単語の意味を大体理解出来る人間ならまだいいが、あれだけのメニューを全部イメージして把握するのは、一般の日本人には難しいように思える。黒板か、別紙のリストを用意してくれると親切だろう。
 とまれ、ピッツァをメインに前菜やパスタ、セコンドピアットでも抜かりない味を求めたいならお勧めである。例えば俺の好きなピッコラ・タヴォーラやトニーノ、ベルパエーゼなどは、ピッツァの素晴らしさに他の料理が追いつけてないという印象があった(まぁピッツェリアとはそういうもんか)のだが、ここならそんな心配はない。ピッツァは勿論一番のお勧めだが、(パスタで味わったブロードの出来を鑑みるに)たとえピッツァを食べなくても満足出来る店であろう。

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