メッゲライ・トキワ@関
先日助六について書いた時にも触れたが、前々からせんべい屋の若旦那や泉さんに勧められていたこの店の白カビサラミにやっとありつく事が出来た。いつも岐阜で彼らに会っても、『関に行くならトキワミートには絶対行け』とは力説されるのだが、肝心の場所等詳しい事は教えてくれないのでw、先日訪れた助六さんで、会計を済ます時に場所を聞いてみた。まだ二度目の訪問にも関わらず、他の飲食店の事を聞いてしまって失礼かとは思ったが、『泉さんに行ってこいと言われたので…』と言い訳がましく(ニンゲンが小さい)聞くと、『ああ、善ちゃんに聞いたんだ。あそこは美味しいよ』と、気持ちよく教えて下さった。勿論親しい間柄なのだろうが、それ以上に本物の美味の求道者として、お互い認め合い尊敬しあってる事が伝わって来た。これから訪れる事になるトキワさんとの短い挨拶でもそれは感じられ、地産地消を志して頑張っている同士としての素敵な関係を垣間みる事が出来て心穏やかになった。それは勿論、『地方で頑張ってて微笑ましい』なんてゆるい感情ではない。彼ら(せんべい屋含む)の作りだす味わいは、少なくとも俺のグルメ経験値と照らし合わせても、『岐阜県内では』なんて枕詞が必要ない、全国的にも有数のレベル高い美味なのだ。口調は穏やかで朴訥とした雰囲気の挨拶だが、そこには一種の凄みすら感じられるのだ。それは何より、俺個人の彼らに対する尊敬の念に他ならない。
さてこのトキワさんの事である。勿論目当ては白カビサラミなのだが、岐阜で白カビサラミというと真っ先に思い浮かぶのは、以前このblogでも取り上げた清見村のキュルノンチュエだろう。この時初めてお会いし、山岡さんから直接白カビサラミを購入したのだが、その味は以前出張先のフランスで食った時の感動をもう一度呼び起こすには充分なレベルの物であった。日本製の白カビサラミは、今の所トキワさんとキュルノンチュエさん(ともに岐阜)しか知らないので、どうしても比較せざるを得ないのだが…まぁとりあえず先に写真を見てもらおう。
白カビサラミはやはり大変な人気なようで、到着した時は既に売り切れ…。しかし、『あと5分ほどで出すよ』と教えてくれたので暫く待って無事購入出来た。その間色々なハムやソーセージを実に気前よく振る舞ってくれて(あの量は試食の域を越えてるよw)、そのどれもが見事に美味い。全体にクセが無く、日本製ならではの繊細さ、上品さを感じるものばかりだ。しかし飛び込みで行って偶然白カビサラミの出来上がりに遭遇したのはラッキーというより他ない。他に自家製のスモークレバーとチローラー(チロルの事ね。チョコではなくw)を購入。
左から白カビ、レバー、チローラー(見れば分かるか)だ。肝心の白カビは、試食で感じた印象から想像する味そのままであった。穏やかでクセが少なく、とても食べ易い。フランスでいくつか食ったものと比べてもそれは顕著だ。そういう意味では、より現地のもの近いのはキュルノンチュエのサラミだが、食べ易く日本人向けなのはこちらのトキワのものと言える。もしかしたら出来立てを無理矢理買って来たので熟成の度合いが違うのかもしれないが、ザックリというとそういう比較になる。どちらが好きかは、このレベルまでくると人それぞれだろう。俺個人としてはどちらも素晴らしく美味いというしかない。
一方スモークレバー。これも、よくここまでレバーの臭みを取り除くよなあ、と感じ入るくらい、レバーのまるでバターのようなねっとりと濃厚な旨味だけが感じられる非常に完成度の高いもの。そのままでも勿論美味いのだが、この味わいをソースに生かさない手は無いと思い、このレバーを使ってパスタを作ってみた。
ニンニクや香味野菜とともにじっくり炒めたスモークレバーを、一旦フードプロセッサーにかけてペースト状にして、フランスから塊で買って来た生ハムを炒め、少量の自家製トマトソースと赤ワインで和えて、一煮立ちさせてからペーストを戻してソースにした。野菜はパスタとともに茹でたほうれん草。いやぁ、想像通りこのレバーは、ソースにしてもその価値を全く失わないものであった。
やはり情報に違わぬ凄い店であった。しかし、今回は行かなかったが、トキワさんの斜向いにあるペイザンというパン屋も地元では有名らしい(トキワさんで頂いたハムの試食でもここのフランスパンが添えられていた)し、岐阜という県の奥深さには本当に参る。まだ関より北には行った事がないが、それでも既に数えきれない枚数の鱗が目から落ちた。全県を食い尽くすには相当の根気と胃袋が必要だ。
Comments
質問!!チローラーって??ハムの種類でしょうか??
・・・にしてもカビのサラミはそそりますね(発酵物大好きです)
それ以上にスモークレバーのパスタによだれもの。肉の中でもレバーが大好きなんです・・・
このパスタも面白い形ですね。
ワイが進みそうだ・・・
Commenter: じゃり | 2008年04月24日 10:31