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パスタマン 蘇州を食らう〜4日目昼食〜

◆蘇州観光その1〜寒山寺

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 週末にもかかわらず、蘇州への高速は驚く程空いていて、聞いていたよりもだいぶ早く到着。最初は1つの寺院だけ行って昼飯の予定だったが、話し合いの上2つの寺院をまわる事にした。勿論、昼までに腹を減らすには歩くのが一番ということもあるが、最終的にはガイドのテンションに引っ張られて決めたのは言うまでもない。

 まず訪れたのは寒山寺。日本とも関わりが深いらしく、鐘を送られたりもしているようだ。 面白かったのは、オリジナルの鐘は倭寇が持ち去ったとされていて(中国人や韓国人のあいだでも論争になったらしい)、それを伊藤博文が信じて日本中を部下に探させたが見つからず、気に病んで寄贈したという話。日中の関係というのは、昔から変わらんね。今の総理が寄贈するかどうかは分からんが。
 この寺は漢詩や文学で有名な寺のようだ。そこら中に古今東西の文化人の書いた漢詩の石碑がある。ガイドは嬉々としてそれらが目に留まるごとに説明していて、まぁ話はそこそこ面白いんだが、説教臭すぎてどうもテンションが上がらない。まぁ寺なんだから説教臭くて当然だが、世界遺産の宝庫の地にあって大して風光明媚でもない寺ゆえ、散歩しててもそれほど楽しくはない。その上ガイドも『どおうだ、面白いだろう!』と言わんばかりに胸はって説教しまくっているので、そのテンションの落差が余計に辛い。
 ちなみに、写真の中に座って何か書いている僧侶が写っているが、彼は我々の側に来てガイドと俺らの会話を聞きながら日本語の勉強をしている。日本人が来るたびに近づいてきて傍らに座ってメモを取っているらしい。これは、日本に留学したいからだそうだ。留学といっても、勿論寺にだ。『鐘盗みやがって!』とか思いつつも、なんだかんだ言ってやはり日本は魅力的な国なのだろうか。

◆蘇州観光その2〜虎丘

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 続いて訪れたのは、春秋時代の呉王闔閭(こうりょ)の墓所である虎丘。三国志は勿論、紀元前後の中国の歴史は好きなのでちょっとアガる。闔閭が死んで息子の夫差がここに墓を建立。父の死の三日後に、墓の上に白虎が現れ墓を守ったという、いかにも中国らしい伝説がこの名前の由来である。臥薪嘗胆の故事を生んだのもこの親子だ。
 その背景もさることながら、ランドスケープ的にも寒山寺より重厚で見応えがあり、歩いてて実に楽しい。特に、剣マニアだった父の為に3000本の剣を沈めたという剣池(ここに闔閭が眠っているというのもなかなかおしゃれだ)の周辺と、中国のピサの斜塔と言われる雲岩寺唐が見所だ。塔は清の時代に再建された物らしいが、なかなかの威厳を感じさせる。上海食い倒れですっかり肥えた俺が上ったら、3.5度の角度が5度くらいにはなるだろうか…。
 先ほどの寺とは違って俺も乗り気で説明を聞いているので、ガイドのCさんも満足げだ。最後には『私が撮りましょう』と、塔をバックに記念撮影までしてくれる程通じ合ってきた。この調子で行けば昼食はいい店に連れて行ってもらえるかも知れない。期待しよう。


◆洋洋中餐館

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 二つの寺院をまわって十分胃袋に隙間が出来た。頃合いだと思って腹が減った旨を伝え、車窓から飯屋を物色していると、実にローカルで、外観は汚いが地元の人で賑わってる店が何軒か見えた。『あそこなんかどーっすかね』とCさんに提案するも、『いや、あそこはやめましょう』と悉く却下。うーむ、やはりまだ分かりあえていないのか、彼の経験上美味しくないとの判断なのか、日本人には汚過ぎるので勧められないとの気遣いなのかは分からないが、俺の選球眼が全否定されている事は確かだ。『よし、それならどんな店に連れてってくれるのかお手並み拝見と行こうか』と様子をみていると、『ここにしましょう』と車を止めて入ったのは、案の定欧米のガイドブックにも載っている有名水餃子店。『まぁ、所詮そんなところだろうなぁ』と、空しい期待だった事を悟る。本当はこんな店に行きたかったのだが、何しろ初めての土地だし、俺の選球眼こそ当てにならないではないか。水餃子の店というのもこの旅では初だし、なんとか気持ちをニュートラルに入れ戻して店内へ。


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 まずは前菜としてダックの舌が出てきた。おお、まさかこの店で食べられるとは思わなかった。どうも、本店は水餃子の店らしいのだが、こちらの支店は色々な料理を出しているらしい。Cさんグッジョブだ。これはどこで食っても美味いねぇ。日本でも昔一度だけ食った事があるが、流石にこちらのはさらに美味い。独特の歯応えがなんとも心地よい。店内見回しても思ったより観光客風の客も少ないし、意外と期待出来るかもしれない。


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 続いて酔っぱらい海老が出てきた。ここまで、食いたかったが食い逃していたメニューがちゃんと出てくるのが嬉しいではないか。海老が大人しくなるのを待ってから殻ごとむしゃぶりつくと、淡水の海老らしい上品かつねっとりとした甘みが口に広がる。タレも海老の味を邪魔しない程度の味付けで適切、というか日本人には食べ易いクセの無さ。期待を上回る満足感だ。なんだ、Cさんなかなかやるではないか。


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 これも前菜の内臓盛り合わせ。トンタンや蜂の巣、ガツが蘇州特有の甘めの味付けで冷製にされている。臭みもなく丁寧な下処理を感じさせる。それでいて部位それぞれの味わいや歯応えはしっかり残していてこれも美味い。内装はファミレス風で安っぽいが、味はどうやら本物のようだ。


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 冷たい料理が続いたが、やっと暖かい料理が出てきた。この食事のMVD(Most Variable Dish)と言っても過言ではない、豚の尻尾の煮物だ。輪切りにされて適度なポーションとなった尻尾のトロッとしたゼラチン質と、それをコーティングしているプリプリした皮との対比、そしてゼラチン質の甘みと呼応するかのような、蘇州ならではの甘い味付けがとてもフィットしている。今回の旅の中でも最も印象に残る一皿の一つである事は間違いない。


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 そして本命、この店本来の名物である水餃子。羊肉メインの赤い餃子と、ニラメインの緑の餃子の、透けた具材の色合いの対比もなかなかに美しい。流石に名物だけあって皮も厚くモチモチとした弾力があり、それに絶妙な量の具材の味付けも上品で美味い。が、正直内臓や豚の尻尾に比べるとやや期待を下回った感じだ。充分美味いが、これまでの皿を鑑みて知らず知らずのうちに期待が増大していたのかもしれない。


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 そして〆は毎度のチャーハン。こちらのチャーハンは、たまたまかも知れないが、少なくとも今回食ったものは全て日本で食うものよりも、随分と上品な味で余計な旨味や雑味を感じない美味しいものばかりだった。このチャーハンもなかなかのものだが、中国のチャーハンは日本のチャーハンよりも過剰な旨味と油を想像していたので、いい意味で肩すかしを食らった。おかげで今回も気持ち良く食事を〆る事が出来た。


 全く期待していなかった(というよりガイドを信用してなかった)のもあるが、なかなか満足のいく食事をする事が出来て、少しCさんを見直した。まぁ俺のカンを全否定されてる(勿論向こうはそんな気は全くないと思うがw)だけに複雑な心境だが、Cさんにとりあえずは感謝だ。よく考えれば俺は蘇州初心者である。まずはこういう安定した味を提供する店でまずは基準を作り、その上で当たり外れが大きいであろう小汚いローカルな店へと冒険するのが筋であるというのも一つの考え方だ。Cさんを疑う以前に、(序盤で言っていたように)中国の食というものを信用するべきであったと、ちょっと反省した39歳であった。


◆蘇州観光その3〜蘇州シルク有限公司/刺繍研究所

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 腹と気持ちが満たされたので、引き続き観光。庭園と並んで蘇州名物のもう一つの雄が、シルク製品及びシルクを使った刺繍工芸品だ。シルクは全く興味は無いが、Cさんは作業工程も見れて面白いというので行ってみる事にした。工場見学は好きだしね。
 シルクの方は、若いおねーちゃんのガイドが付いて一緒にまわってくれる。愛想の無い工場を想像していたので多少面食らいつつも後を付いていくと、繭を糸にする行程から順番に説明してくれる。実際には工場ではなく、観光客用に用意されたセットのような場所で、客が来た時だけ取って付けたように作業をしてみせてくれる。正直かなりアホくさい。そして、途中からオチが予想出来たが、最後はシルク製品の売り場に連れて行かれて色々と斡旋される。確かにモノはいいのだろう(実際、相方は枕を買ってみて、意外といいので家で愛用しているw)が、怪しい宗教のセミナーのような胡散臭さをプンプン漂わす、気分のあまりよろしくない施設であったw。

 次に行った刺繍研究所も推して知るべし。刺繍の行程を一通り見学後、最後はショップで買え買えとつきまとう。確かにその技術は目を見張る物がある(向こうが透けて見える両面刺繍なんざ圧巻)が、その技術を使って描かれるものにセンスが無さ過ぎる。こんな凄い技術を使って、1枚に何週間も何ヶ月もかけて、わざわざ名画やアニメキャラをパクって描かんでもよかろうが....まぁ中国らしいと言えばらしいが。ショップのフロアの別室で行なわれているファッションショーも、あまりに裏ぶれ過ぎていて涙そうそう...もう少しセンスのいい人間を雇えばもっと見応えのある物になりそうなんだけどなぁ。

 どちらも、一度は行ってみてもいいかもしれないが、後味の悪い思いする人間も結構いると思われるので注意されたい。俺は全くお勧めしない。それにしても、日本のガイドブックにはその辺の事は一切書かれていないのだが、やはり幾らか貰ってるんだろうか。まぁ蘇州を観光目的に来るような人にとっては楽しいものなのかも知れないし、むしろ我々の方が場違いなのかも知れない(つーか絶対そうだろ)が、俺はこういう施設を素直に楽しめるような年寄りにはなりたくねぇな。


 そうこうしてるうちに夕方近くになり、流石に足も棒になってきた。まずはホテルにチェックインして一休みして、この旅で最も期待してると言っていい店での夕飯に備えて英気を養う事にする。


(続く)

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