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パスタマン 上海を食らう〜3日目夕食〜

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◆黄浦会@外灘(THREE ON THE BUND)

 そして、3日目の晩は上海のコジャレサイドを堪能するということで、外難三号に来てみた。いくら『内装がアラン・チャンだ? ふん、イケ好かねぇな』とか思っても、『そっちサイド』を知らない事には上海を食い尽くした事にはならない。アジア期待の若手シェフである梁子庚が作る料理は、果たしてこのご大層なシチュエーションに釣り合うものなのか、期待半分冷やかし半分で訪れてみた。まぁ冷やかしに9000円はちと高いが、元を取ろうなどとはハナから思っていない。どういう食後感であろうと、まずは『知る』事が大事だからだ。

 中国料理には、本来コースなどというこじんまりしたものは無いのだが、ここでは『テイスティング・メニュー』という名前(これまたイケ好かねぇ…)で用意されている。残すのが前提の豪快な盛りが基本の中国料理からすると、『欧米料理のメニューにあるコースなんてもんは、いわば試食みてぇなセコいもんだわな』とでも言いたげだが、そのわりにはその『試食』ごときに588RMB(9000円ちょい)も取るとはいい根性しとる....って、なんで俺はこの店に限ってこんなにけんか腰なんだよw。あくまで食う前までの心理状態を、多少デフォルメして書いてるだけとお考え下さい。

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 まずは前菜。米麹のような食感の冷製と牛肉豚肉をそれぞれ煮こごり風にゼリーで寄せたもの、緑豆のソースを添えたカクテル風の凍豆腐とカボチャのサラダ。正直、ひと月以上経った今(書いてるのは11月3日深夜)の俺の頭には殆ど記憶として残ってないw。上品過ぎるほど薄味だった事は覚えているが、他の皿(他の日も含む)は全て鮮明に覚えている事を考えると、覚えておく価値のない皿だったと言う事か。つかみとしてはどうなんだろうか...ただでさえ冷やかし半分の気持ちに拍車をかけるではないか。


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 そして早々にメイン(厨師主菜)に突入。フカの骨で取ったスープに、ロールキャベツならぬロールフカヒレ(違うか)を浮かべ、ほうれん草のソースをまわしてある。崩しながら食べる。これは流石に美味かった。程よいパンチと嫌味の無い旨味が後を引く。意外にも、単なる彩りに見えるほうれん草のソースも効果的に味に参加している。前菜を食って『大丈夫か?』と思ったのもどうやら要らぬお世話に終わったようだ。


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 続いては魚料理。煮込んだタラにBBQポークという、いかにもヌーベルシノワといった感じのハイブリッドな一皿。見た目よりこってり感は無く、むしろ上品で食べ易い。ソースにニンニクが効いてるのがいかにも俺好みだ。上記のフカヒレほどは魅かれないが、意外な組み合わせを違和感なくまとめる力を上間見せる。まぁ力といっても、俺でも容易に再現出来そうな味ではあるがw。


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 お次は肉。冬瓜で作った台の上に炒めたラムを乗せて、中華ハムの出汁が効いた黄金色のスープを添えたもの。ラムのクセを程よく残していて、小気味良い歯ごたえで上品な味付けの冬瓜とスープとの馴染み具合は流石である。ああ、インパクトよりもバランス重視の料理人なんだなぁ、と言う事がよく分かる。


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 そして早くも〆のご飯もの。餅米を混ぜ込んだ、言わばキノコおこわに、謎の胡麻団子が乗っている。どうやって食うのか迷ったが、思い切って団子とご飯を混ぜてみようと思い、割ってみると...


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 中から甘いココナッツミルクが....それも、蒸したてのご飯の上の団子は(勿論中のミルクも)キンキンに冷やしてある。うーん、実に思い切った料理である。料理を前に、ここまで戸惑ったのも久しぶりだ。『ヌーベルシノワな割には意外と冒険しないなぁ』なんて結論を出そうという時にこれだ。やってくれる。
 して味の方は、意外というかなんというか、このタイミングでだすのは反則ギリギリといった感じだが、半ばデザート感覚ではあるものの美味い。決してアイディア先行というわけではなく、冷と温、甘と辛のバランスが取られ、ちゃんと味の計算がなされている。最初はどうなるかと思ったが、どうやらいいフィニッシュが決められたようだ。


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 ドルチェは、ライチ風味のクレームブリュレとムース。両方ライチ味にする意味は不明だが、爽やかなのかコッテリなのか良く分からないクレームブリュレよりは、さっぱりとしたゼリーが乗ったムースの方が明快で美味かった。ちなみに周りに点で乗ってるキウイやオレンジのソースは、少なすぎて全く味の役には立っていない。まぁ、あくまで彩りだろうからいいんだけど。

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 夜景の見渡せる窓際の席が取れなかったので、食後に最上階のバーのテラスに行ってみた。ここは別にドリンクなどを注文しなくても入れるので、夜景と夜風を楽しむ目的で来てみるのもいいだろう。しかし、ぱっと見は確かに息を飲むほどの絶景なのだが、よく見ると間抜けな形状の建築ばかりなので、あまり詳しく観察はせず、あくまで雰囲気を楽しむという感じで訪れる事を勧める。本当に建築家(および彼らのクライアント)の社会性というのは、都市にとって非常に大事である。日本も中国の事は言えないけどね。


 上海コジャレサイドの代表として、半ば冷やかし気分で訪れてはみたものの、流石にYの勧める店だけあって、なかなかにしっかりとした料理を食わせてもらって正直ホッとした。まぁ勿論ここより美味い店なんて、広い中国に少なからずあるだろう事は容易に想像出来るのではあるが、他の分野では、ちょっとコジャレようと思うと腰砕けなセンスばかり発揮しているこの国にあって、少なくとも料理の分野は、しっかりと地に足がついたセンスを発揮しているであろう事が垣間見えて、ホテルに帰る道すがらはとても清々しい気分であった。

 さて、これで上海編はおしまい。明日の朝には蘇州へ出発だ。Yのアテンドからは離れて、明日からは中国人のガイドとともに旅をする。しかしこのガイドのおっさんがまたクセもので....っと、続きはまた今度。


(続く)

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