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パスタマン 上海を食らう〜1日目夜食〜

fomo.jpg

◆复茂(fomo)

 向かった先は、ここ数年突如として上海にブームを巻き起こしてるというザリガニ料理の店。料理といっても、ただひたすら、茹で上げられた大量のザリガニの下半身を剥いては食うの繰り返しである。一心不乱に姿のままのザリガニに手づかみで食らいつくその様は、老若男女問わずホラーそのもの。発展著しい上海で、こういう食のスタイルが流行っているとは、全く食というのは面白い。
 ちなみに日本で言うと、飲んだ後の〆のラーメンのように、ハシゴの最後に訪れるのが普通の使い方らしい。しこたま飲んだ挙げ句、『〆にザリガニ食ってこうぜ』と。そのため、日付が変わった頃が人出のピークという。『夜中の2時頃行くのが通らしいよ』とはYの弁。

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 まず席に着くとこんな装備が手渡される。これプラス手袋と同素材のエプロン。食事というより今から何かの実験に手を貸すのかというような雰囲気である。店内も何故か妙に薄暗いし、周りからはバリバリと何かを引き裂く音とズルズルと啜る音....ホラー感満点である。『カップルもデートに訪れる』と聞いていたのでもう少し雰囲気のいい空間を想像していたのだが....。


fomo_zari.jpg

 装備を装着するとこんな状態でお目当てのザリガニが出てくる。スパイシーに茹で上げたザリガニの他には付け合わせも何も無い。大雑把にも程がある。これで一人分の半分だそうだ。〆にこんなに食べるのかよ....流石に俺も胃が心配になる。
 が、食べ始めると意外ととスルスル量をこなせる。一匹につき食べる部分が意外と少ないのもあるが、何より美味い。濃い味付けと、素材自体の若干のクセが好みを分けるだろうが、旨味と甘みは下手な海老など追随を許さない美味さだ。良く言えば、蟹と海老のいいとこ取りのような味わい。素材として猛烈に興味の涌く生き物である。養殖等の技術が進んでよりクセのない味わいになれば、第二の上海蟹に化ける可能性もあるのではなかろうか。


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 ちなみに頭の方は腹を壊す可能性があるので食べない。基本的には下半身の身の方だけを食べる。ヤバイ部分を熟知してる熟練者になるとガンガン頭部を啜っているらしいが、俺はとても怖くて出来ない。しかし上海蟹にも食うとヤバい部分はあるし、その辺は知ればなんて事ない事なのだろう。


fomo_kani.jpg

 ザリガニと一緒に上海蟹も頼んでみた。甘い味付けのタレをトッポギのような餅とともに和えてある。これもやはりホラー感満点の食べ方でひたすらむしゃぶりつく。美味いがここではザリガニ初体験の新鮮さに軍配。しかしザリガニしかり、食事としては若干味が濃いめ。日本で〆にラーメン食べたがるのも同じだが、飲んだ後に味が濃い物を食べたくなるのは何故なんだろうね。俺は分からん。


 俺がどうしてもザリガニを食いたいと思ったのには理由がある。もしかしたら第二の上海蟹になるのではないかという予感があったからだ。こちらを読むと、ザリガニとモクズガニの生態の類似性が良く分かるが、上海蟹も、もとはといえば生態系を破壊するような生命力の強い害蟹(なんて言葉はないか)だという。日本でも最近持ち込み禁止になったが、本国では、国が季節と量を規制するなどして、ほっときゃ勝手に増えるような蟹を、養殖や料理人の研究など味を高める工夫を積み重ね、高級食材として積極的に外貨獲得に貢献させている。日本では『生態系が壊される〜』と言って排除するより他にないのだろうけど、その辺のどん欲さは凄いよなぁ。ザリガニもいずれ、味への飽くなき追求の果てに、上海蟹に次ぐ高級な食い物になるかも知れんね。実際食ってみて、確かにその可能性はあるなぁと感じた。まぁ一過性のものかもしれんが、食材としてのポテンシャルはとても高いと思う。


(続く)

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