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パスタマン 上海を食らう〜プロローグ〜

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 39年の人生で、初めての海外旅行の目的地としてこの地を選んだのは、さしたる理由があるわけではない。強いて言えば、勢いでしかない。これだけ生きてきて『旅行』として(仕事でなら毎年何度も行ってる。明日からまたタイ出張だ)海外旅行に行った事が無いのなら、いっそこのまま一生行かないというのも(ディズニーランドと同じノリで)かえっていいかも、と思った事もあった。上海に決めた理由はないが、これまで海外旅行に行かなかったのは理由がある。その一番大きなものは、日本で知らない事がまだまだ沢山あるからだ。勿論海外に行けば、新鮮な発見はどこに行こうとも沢山あるという確信はあった。たかが出張(=自分の意志で自分でプロデュースしてない旅)で行った時にさえ、さまざまな発見や出会いがあった。が、少なくとも食というテーマに限って言えば(俺にとって旅=食なのだ)、国内に行くべきところがまだまだ多すぎて、単純に海外まで順番が回ってきてないのだ。『自分は、日本を知るという事だけで一生終わるのかも知れない』という諦観が、海外は別にいいか、と思わせていたのだ。
 しかしもし行くとしたら、果たして上海旅行は適切な選択だったのだろうか。『パスタマンと名乗るからには、人生初の海外旅行は当然イタリアだろう』と皆さんは思うかもしれないが、最初の海外旅行に、イタリアだけは行くまいと思っていた。自分をもっと磨いてからという気持ちもあるし、あまりに自分の中でイタリアに対する幻想が肥大化したがために、がっかりしたくないという、少なからず傲慢な気持ちもある。勿論いつかは必ず訪れるべき聖地ではあるが、それは今ではない(厳密には、出張でなら行った事はあるw)。

 このように、長い事海外旅行というものに触れずに生きてくると、事程左様に面倒くさい葛藤が発酵して脳内から泡を吹くようになる。それは俺という人間の(国内外問わず)旅行というものに対する並々ならぬ思い入れの表れに他ならないのだが、それだけに初の海外旅行に対する意気込みはそれこそ並ではなかった。長年俺の食い倒れ友達として食に意欲を燃やす朋友Yが、2年の赴任を経て上海から帰ってくる前に行っとくか、というきっかけらしき感情の動きはあったが、殆ど勢いで決めた旅とは思えないほど、(Yとメールで相談しながら)濃密な計画を立てた。正直、『こんだけ調べたからもう行かなくてもいいか』と思える程だ(本末転倒)。そんな濃縮感が、今回の旅日記から伝われば幸いだと思う。

◆プロローグ〜浦東国際空港からホテルまで〜

 上海の浦東国際空港に到着したのは9/14の17:30。そこからリニアモーターカー(永田町並みに歩かされる)で地下鉄の龍陽路駅まで。時速400km以上出すというのでワクワクしていたら、結局最後まで300kmを超える事は無かった。たまたまその時だけか、もともと400kmなんて出せないのかは知らないが、いきなりこの国に対するガッカリ感アップ。

 駅からは地下鉄という手もあったが、なんとなく信用出来ない土地で最初から電車はハードル高いので、大人しくタクシーでホテルまで向かう。Yからは『ぼったくりも多いので、ちゃんと正規の乗り場で並んでね』との注意を受けていたので素直に並んで待ったが、観覧車方式で自分たちの番で回ってきたのはどうみても怪しい車....メーターに紙貼って隠してある。行き先のホテル名を告げて走り出すと、『そこまでは250元ね』ときた。Yの話ではここから高くても80元だというのは事前に聞いていたので、『高けぇよ!(アフォが)』というと『いやぁ、あそこは遠いよぉ』と。『ああもういいや、降りるから』といってドアを開けてさっさと降り、再び観覧車へ並びなおす。全く、油断も隙もねぇな、この国は。ガッカリ度さらに増幅。

 次に乗ったタクシーは至ってまともで、ホテルまで52元。あの野郎、5倍もぼったくろうと思ってやがったのか(皆さんも上海に行く際は気をつけましょうね)。運転手に『52元(800円ちょっと)』と言われた時、最初がぼったくりだったせいもあってもの凄くお得に感じ、その運転手が妙にいい人に見えたので(完全に錯覚)、2元と20元を間違えたフリして70元出してあげた。まぁ上海に着いた時はまだ100元札しか持って無く、リニアで80元使って100元札と20元札しか持っていなかったのもあるが。

 無事ホテルに着いてホッとしているとまた一難、今度は予約が取れていないという。予約はY(というか会社の現地オフィス)に頼んでおいたので、フロントのねーちゃんに『電話で?それともネットで予約したの?』と聞かれても分かるわけが無い。仕方ないのでYの電話番号を渡して『友達が取ったからここに聞け』というと、なんとか話が通った様子。どうも俺の名前を大幅に間違えてたようだ。クールなフロントの対応に対して、俺らの荷物を預かったベルボーイのあんちゃんがもの凄く気さくで、やりとりの間ずっと俺の背後から『絶対大丈夫だから。気にしない気にしない』とか声援を送ってくれていた。右も左も分からない土地でこういうのは素直に嬉しいものだ。ところが、無事チェックインを済ませて奴らに部屋に案内され、荷物を置いて一通りお決まりの説明をしたあとも、彼らはなかなか部屋を出ようとしない。それも、ドアの手前でダークダックスのようにやや前屈みで斜に構え、二人綺麗に同じ姿勢で並んで、イマドキ時代劇の商人でもしないような揉み手をしながらこちらをニコニコ眺めている。『なんだよ、結局金目当てか』と思ったが、機嫌が良かったので財布を出すと、100元札と(タクシーのおつりで貰った)50元札しかない....仕方なく50元やって帰らせた。これじゃぁタクシーでぼったくられたのとさして変わらんではないか。アホだ。

 その後1分もたたないうちに、何故かハウスキーパーのババァがノックして無理矢理入ってきた。もう夜8時だ。最初は『何かあったのか?』と一瞬構えたが、無意味に枕の位置を直したりして、『それさっきベルボーイに聞いたから』というような説明を繰り返し、やたら愛想を振りまいている。さてはベルボーイのバカどもが50元もらったのを言いふらしやがったな....しかしもう財布には100元札しかないし、大体お前にやる金なんぞ一文もない。そもそも中国では基本的にチップはいらんのだ。完全に無視してテレビを見ていると、すごすごと引き返していった。老舗の5つ星ホテルでも中国ではこんなもんだ。ガッカリ度大幅増幅。


 こんな、民度の低さを物語るような事が出端から相次いでも、この国の食事は俺らを決して裏切らないだろう。早速Yに電話して、今夜の会食会場へと急ぐ。今夜は上海料理ではなく湖南料理。ホテルから歩いてすぐの場所にある。最初から湖南とは、刺激的な旅になりそうである。


(続く)

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