遊食館・魚伊@興津
今はなきちくめいで最後のお茶会を楽しんだ後、この日の夕食をとるために、帰りがけJRの興津駅方面に移動。静岡駅から1号線を上っていくと清水のすぐ先にある。駅前は典型的な田舎の駅で何も無いが、地元ではなかなか美味しいと評判の良い寿司屋があるというので寄ってみた。名前を遊食館・魚伊という。この名前、個人的には地方の土産物屋っぽい安さを感じるw。
店の佇まいは、この地からは想像出来ないほど小綺麗でコジャレてる。聞けば、元は創業(昭和元年)80年を誇る魚屋(メインで、以前は2階を料理屋にしてたらしい)だったが、料理屋の方が評判を呼び、昨年改装して料理屋メインにしたらしい。静岡市内から東京へ帰る道すがらには、沼津でも清水でも美味い魚を食わせる場所は沢山あるが、とにかく前情報が殆どない中(ネット上にもあまり情報がない。なにせこの店の名前を発見したのは2chだw)たまには当てずっぽうで入ってみるのも悪くはないと思い、あえてこの店に決めた。
店内はガラガラだったので、席はカウンターにした。ネタのケースは結構いいものを使っている。やはり魚屋だけあって鮮度にはこだわりがあるようだ。
飲み物を注文してほどなく出てきた突き出しは、毛蟹の足と小さめの蛤を炊いたものだ。流石老舗魚屋、素材はいい。特に蛤は冷たくしてもふっくらとした身の歯ごたえで、味も絶妙な煮加減であった。恐らく地元の人間しか知らない店だろうが、なかなかに良い店である事が伺える。
カウンターの親父に『初めてなので、とりあえずお勧めを適当に握って下さい』と言ったら、まとめて皿に盛りつけてきた。何個か握ってもらったらその後はリアルタイムでネタ指定したかったのだが....アフロがいけなかったのかw。まぁ俺は形にはあまりこだわらないので気にせず食べる事にした。どうせ人より食うの早いしw。
寿司の方も、ネタは全体になかなかのもの。特筆すべき秀でたネタも無いけど、一つ一つに穴も無く十分満足出来る。シャリは握りが若干硬めと感じたが酢加減もよく、量的なバランスも丁度良い。特に穴子と中トロは美味かった。それぞれに細かい仕事がしてあるが、鯛(だったかな)に乗せられたアラレは固くて邪魔に感じた。だがまぁ当てずっぽうで飛び込んだという事を考えたら、全体的にはかなりラッキーだったと思えるレベルだ。
足りなかったので追加で赤貝、赤身、トリガイを。それぞれ実にいいネタである。赤貝のシャキッとした歯ごたえもいいし、赤身のさっぱりとした旨味も充分、トリガイも肉厚でふっくらとした質感がとてもよい。この三つで〆られたのは実に良かった。
勿論東京から食いに行けとまでは言わないが、近くを通ったら立ち寄ってみても全く損はない。こんなところに?ってなシチュエーションだが、たまには趣向を変えて、沼津や清水でなくこんな場所で寿司というのもいい。何しろ元が老舗の魚屋という事でネタはいい。改装して1年ということで、今後どういう店になっていくか楽しみだ。