'07 茨城縦断食い倒れツアー 〜その3:一日目夕食〜
◆つくば湯
社会見学やらお茶やらで激しい雷雨をやり過ごした後は、次なる食事のために温泉で胃腸の最適化をはかるw。折角の温泉をこういう使い方するのもどうかと思うが、実際温泉は、食い過ぎた時とかに胃に溜まった食物のフラグメンテーションwを解消してくれる効果があるような気がするのは俺だけか。全く科学的根拠はないが、温泉に入ってから飯食うと、それまでの暴食の影響を抑えられ、面白いように食える気がする。
この温泉は、別にどうしても入りたかったお湯というわけではなかったんだが、次の目的地に近いのと、筑波山の麓ということで景色が良さそうだったので寄ってみた。そんなに期待していたわけではないので立ち寄り温泉としてどうこう言う気はないが、純粋にお湯を期待して行くとちょっと肩すかし食らうかな。景色はまぁ良いし上がったあとの効果もよろしい。ただちょっと清潔感にかけるかな。そして、なかなかのシチュエーションだったハズなのに、なぜかこれを書いてる今殆ど記憶に残ってないw。まぁ翌日行ったところが素晴らしかっただけに余計記憶がマスキングされてるのもあるだろうが。
帰り道を間違えて(山道は一度間違えるとなかなか引き返せない)何故か筑波山山頂に着いてしまったので、暮れなずむ夕日を少し堪能してからいざ夕食へ。今夜は自家飼育のおろしたての鴨肉を堪能する。
◆一日目夕食:鴨亭@真壁町
店に着く頃には既に真っ暗。太陽とともに腹もすっかり落ち着いたw。店の入り口に着くより前に、(恐らくここで育ててるわけではないだろうが)鴨の小屋があり、そこで自家飼育のマガモが俺らより後に食われるために順番待ちしてる(もう夜なので2羽しかいなかった)。店の外観は暗くて良く分からなかったが、なかなかに立派。全席個室で7部屋しかないという。それも、二人で使っては申し訳ない程広い。おまけに自家飼育の真鴨を使った料理のみ。さぞかし高級かと思えばさにあらず。先に言ってしまうが、むしろこの内容ならとてもリーズナブルだと思う。ひとえにアクセスのあまりの悪さがこのコストパフォーマンスを実現してるのだと思うが、そのおかげで混みすぎる事も妙にメディアやネットで持ち上げられる事も無いようなので、そういう意味でも非常に良い店だ。
お通しは砂肝。流石に自家飼育、しっかりと煮込まれているが噛めば噛む程ハッキリと鴨独特のいい香りが感じられる。年初に岐阜であまりに素晴らしい鴨をたらふく食ったので別段驚きはしないが、去年までの俺なら間違いなく歓喜したであろう味わい。これなら期待通りの料理の数々がこれから目の前に次々と出てくるだろう。
続いて石板焼き。赤身の深いボルドーと脂の白のコントラストはいつみてもソソる。生で食えるほどの肉は流石に光沢も違う。まずは脂を石板全面に塗り、鴨は薄めた赤ワイン、それ以外は日本酒に軽く浸してから焼くのだが、これがまた美味い。サッと炙る程度に焼いてもしっかり焼いても、旨味と歯ごたえと甘みは、その辺の鴨肉とは一線を画す。今年もまだ半分過ぎてないのに、2度もこんな鴨食えちゃっていいのだろうか。厳密に言えば岐阜で食ったものよりは野性味に欠けるが、今までで食った鴨の中では岐阜に続いてトップクラス。
モモ肉を桜で燻してローストしたもの。これまた中毒性のある味わい。十分燻されて水分が抜けていてもパサついた感じはまるでなく、ギュッと詰まった旨味と歯ごたえ、桜チップと鴨肉自体の香ばしい香りの相乗効果がたまらない。鴨は香りを食うもんだとの認識を新たにさせられる一品。
ロース肉を出汁で炊いたロース煮。燻製とは一転、アッサリと柔らかく煮込まれて、舌に蕩けるような鴨の滋味深い味わいが堪能できる。火の通り加減もちょうどよい。山葵も良くあうが、出来ればカラシも欲しかったところ。店の外に観光客用っぽい鳥小屋を見たときなんとなく怪しいと思ったがw、この完成度は、少なくとも観光客向けの店ではない。
流石にジビエ用に改良された自家飼育(つまりデミソバージュ)の真鴨を使う店である。コンフィもなかなか素晴らしい。仕込みも焼き具合も良好。塩やハーブに漬け込む事で、燻製よりさらに深く複雑な旨味甘みが堪能出来る。
メインは鴨鍋。出汁は味噌ベースの味付け。まぁここの鴨の質はこれまで食べて充分分かっていたので、意外性はないものの当然のごとく美味い。味噌ベースとしてはかなりあっさりとしたスープなので、鴨の香りや旨味がちゃんと生きてる。このスープで作る雑炊はさぞ格別に違いない....と思ったら、
意外な事にその鍋のスープは使わずにあらたにクリアなスープで雑炊を作り直してきた。少し勿体ないような気もするのだが、そこはそれ、わざわざ作り直してくるだけあって、〆に相応しいアッサリとした、それなのにキッチリ鴨の味が生きてる美味しいもので安心。でも、やっぱり先ほどの鍋のスープでも食べてみたいと思い...
勝手にハーフ&ハーフにして作ってしまいましたw。やはりこっちのほうが好きだなぁ。より濃厚にはなるけど、鍋の後の雑炊とは、それまで食ったメニューを走馬灯のように脳内で『美味かったなぁ』と反芻しながら食うものだと思うので、やはりそれまで食ってた鍋の味を使った方が腑に落ちる。
それと、使ってるお米もなかなか美味しかった。地元真壁のコシヒカリを使ってるそうだが、瑞々しい甘みがあり、鴨だしの甘みと良く合っていた。
やはり、年初の岐阜での衝撃体験があったおかげで感動!という程では無かったが、決して観光客相手の店と言うわけではなく、しっかり真面目に美味しい鴨をなるべくリーズナブルな価格で供するよう努めている、とても良いお店という印象。鴨肉だけで、しかも極力他の素材を使わずにこれだけの料理を飽きさせず食わせるのだから、その質は推して知るべし。このためだけに行くには少し遠いが、行くとしたら次はランチで鴨せいろや刺身を目的に行ってみたい。
Comments
真壁!昔、ウチのパパさんが単身赴任してて、よく訪れました~。
真壁の農家から直接買ってたお米、美味しかったなぁ。
なんて、昔を思い出しましたニャゴ。
Commenter: モー | 2007年05月07日 01:58