Bon Vivant@青葉台
全く、前エントリーに書いたBel Paeseといい、その並びにあるこのパン屋といい、青葉台/もえぎ野地区の住民はなんと恵まれている事か。先に申し上げておくと、このパン屋の食事系のパンは、間違いなく俺が今まで食った中で一番美味い(相方のパンは除く)。比較的近所にあるからといって贔屓目で見ているのではない。俺自身、別にことさらパン好きというわけでも、詳しいわけでもないが、相方の影響もあり、以前こんな事をやってみたほどにはパンを食っているつもりだ。勿論都内の名だたるパン屋にも少なからず行ってみたから、少しは信用していただけるだろう。実際、今までどんな店に連れて行っても、二度同じ店でパンを買った事が無いほどパンには厳しいw相方が、『また買いに来よう』と言ったのだ。こんな事、俺が知る限り初めての事である。これには正直驚いた。そんな相方がいるから、俺はなるべくここでパンの事は書かないようにしていたのだが、ここは例外、というより別格。多分今後も単体のパン屋の事をこのblogで書く事は無いと思う。それくらいここのパンには感動を覚えた。
買ったのは、相方曰く『これ食えばその店のレベルが分かる』というパン・トラディッショナル、そしてレーズンとクルミのカンパーニュ、イチジクの天然酵母パンの3つ。菓子パン類も充実していて(あんなに良く出来たパンのトトロ見た事無い)、この店の事をちょっと検索してみると、何故かほとんど菓子パン系の事を書いた記事しか書見かけないのだが、どうしてこの店の食事系のパンの事が話題にならないのか不思議でしょうがない。特にトラディッショナル。クラストの香ばしさと中のしっとりモチモチ感とのコントラストと言ったら....こんなに艶かしいツヤの気泡は見た事が無い。素人の俺にも分かる美しさだ。そして食べ進むほどに分かるじみ深い粉の風味。よく『小麦粉本来の風味を生かした〜』とか、『余分なものは一切加えず〜』とかうたってるパン屋は見かけるが、この店のパンを食った後は『ふ〜ん。だから何?』と思わされてしまう。そんな事は、ただの小麦粉と水を、ここまでの風味に昇華してあるからこそ言える事である。ただし、個人的には粉の風味が強ければいいというわけでもない。あくまで優しく上品に漂ってくれるのが俺が美味いと感じるパンだ。そういう意味で、ここのパンはベストであった。
健康のためとか、環境に優しいとか、そういうロハスな言い訳の無い、純粋に味の追求の結果そこにたどり着いたであろう説得力のある味というのは、そんな理屈を述べる必要など本来ないのだ。料理を少しでも嗜む人なら分かると思うが、結局『少しでも美味いものを』と思って何か作っていると、ことさら意識したり、無理に乗っかろうとしなくても、自ずと『そっち』にいってしまうものだ。
品数約80種類、そのほとんどは菓子パン、または総菜系のパンで、実際殆どの人がお勧めとして紹介してるのもそっち系のパンなので、ネットで紹介されてる記事を読んでいるとマスキングされがちだが、俺ならまずはここのパン・トラディッショナル/バケットを食べてみる事をお勧めする。余力があればカンパーニュ系も。悪いが、この時紹介した店と比べるのはちょっと気が引けると思うほど次元の違う店だと思う。
本音を言えば、『あらためて、如何にいつも凄いパンを食わされている方が分かった』と言いたいところだが、前回も書いたのでやめておくw。代わりにといってはなんだが、まだ食べた事の無いパンで俺が唯一気になっているのがここのカンパーニュ。昨年あたりに結構話題になった記憶があるが、もうトップの写真だけで一目惚れ。多分食ってもここには書かないとは思うが、ついでに紹介しておく。