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パスタマン 蘇州を食らう〜最後の食事〜

 とうとう中国最後の日となってしまった。昨夜、ガイドのCさんとホテル前で分かれる時、『明日は多分雨ですねぇ』なんて危惧していた事が現実となった。しかし、雨が降ろうが槍が降ろうが美味いものを食いたい気持ちが変わるわけもなく、『明日の朝飯は、さっき帰り道で見つけた、いい感じにうらぶれた麺屋さんに行くぞ!』とCさんに提案するも、『...いや、このホテルは高いホテルなのでご飯も美味しいですよ。明日は絶対雨ですし、是非ホテルで食べて下さい』と素気ない返事。なんだよ、やる気ネェなぁ。
 これまで俺は幾度となく高級ホテルの高級朝飯に騙されてきたのだ。いくら素晴らしいホテルだろうと、特に海外では食事は別物と考えている。それでもCは『大丈夫です、大丈夫。』と、食った事も無い飯に太鼓判を押す。『(だって、雨の日の朝に飯のアテンドなんて、面倒臭いんだもん・・・)』とハッキリ顔に出てるところがいかにも中国人だが、確かにこのホテルは素晴らしい。分かった、そこまで言うなら俺も男だ。信用してやろう。『では、明日10時のチェックアウトの時に迎えにきます』と言い残してさっさと帰っていった。

 そして翌日、そぼ降る雨の中、別棟の朝食会場に足を運んだ....ああ、今思い出してもげんなりする。結論から言うと(というか結論しか言わないが)、とても満足度の低い食事であった。バイキングの上、作り置き感たっぷりの食事に朝からテンション下がりまくり。その上雨はどんどん強くなる。だから言わないこっちゃない。まあ、自分の感覚を信用せずにあのバカガイドの言う事を信用した俺がアホだったと言う事だ。しかし、本来俺は海外のホテルで絶対朝食は取らない(そういう人はあまりいないかも知れないが)人なので、本来食うはずの無い飯のせいでこのホテルの魅力が色あせる事は無いのだが、それにしても施設の素晴らしさに対してあまりにギャップがありすぎる。最後の日だというのに、げんなり感Max状態で目的地に向かう。


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◆同得興@観前街

 まぁいい、最後の日にテンション下がったまま帰りたくない。気を取り直して昼飯で挽回だ。雨のため、午前中に予定していた庭園散歩はキャンセルし、ホテルでお茶飲んでまったりしてから、文字通り最後の食事に全てを賭ける。最後の食事に選んだのは蘇州麺。昔ウルルンにも出て日本でも有名になった同得興だ。支那そばや、つーかガチンコラーメン道の佐野 実も訪れてる。俺も当時放送を見ていたが、あの時確か対決というか、佐野が『チャーシューが臭い』とか言って、それに対して向こうは、佐野の支那そばを食って『鹹水臭い』wとか言ってやりあってたような覚えが(間違ってるかもしれん)....繊細さの極みのような佐野の支那そばに対してあんな事言えるとは、同得興ラーメンは一体どれだけ凄いんだ? これはいつか食ってみたいなぁ、と思ったものだ。それが何年か越しで、まさか本当に来る事になるとは思わなかった。当時は蘇州がどの辺にあるかも良く分からなかったもんなぁ。そういう意味でも、例え食った結果がどうあれ、最後を飾るに相応しい店である事は確かだ。


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 店構えは想像以上に立派であったが、中はいい意味でカジュアルというか、肩肘張らずに入れる雰囲気だ。二階建ての建物の一階は、昼前というのに地元の人ですでにほぼ満員状態。二階のちょっと高い値段設定のフロア(初日の南翔饅頭店と同じ)に通された。どうせ例によって出てくるものは一緒だろうが、ゆっくり落ち着いて食べられるのでこちらとしてもその方が好都合だ。


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 2階は俺らしかいなかったので、部屋の隅々まで見て回ってみた。特に目を引いたのが、一番目立つ壁に飾ってあった芸能人のサイン、ならぬ前述のウルルン出演時の写真が。なるほど、一階は地元の人、2階は観光で来た日本人用というわけか。そりゃ価格も当然変わってくるわな。

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 ここんちのスープは醤油と塩の2種類あって、俺が頼んだのは塩味の定番水晶湯麺。チャーシューと鶏肉が具として別皿で付いてくる。まず見た目からしていかにも繊細な味がしそうだ。スープも透き通っているし、麺もほぼ粉の色。そして味の方も確かに繊細この上ない。流石佐野に一言言うだけの事はある。特に麺は非常に優しい味わいながらも腰(ブツンと切れる系)があり、全く飽きずに食べすすめられる。スープもあっさりしているものの、そこはやはり蘇州の味、甘みが強め。ただし昨晩の食事と同様、決して嫌な甘さではない。
 そしてしばらく麺とスープを楽しんだあとにチャーシューを入れると味が一変、トロトロ系で脂が強く、それがスープに溶け出してとたんに濃厚な味に変化する。そのまま食うとしつこいが、これはスープの熱で溶かしながら食うものなのだろう。シンプルながらなかなか楽しい仕掛けである。ちなみに佐野の言う臭みはそれほど感じなかった。言われて改善したんだろうか。


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 相方が頼んだ醤油も食べてみた。こちらは塩に比べるとだいぶパンチがあり、より日本のラーメンに近い。どちらを頼んでも期待は裏切らないが、どちらか選べと言われればやはり俺は塩だ。


 最後の食事なのに5分程度で食い終わってしまいw、あまりにあっけない幕切れではあるが、すっかり有名になっても味は名前負けしていなかったようだ。数々のすばらしい皿に出会えた本ツアーのトリを飾るに必要にして充分な美味しさであった。また、最後の最後で、ここまで頑に飯を一緒に食うのを拒んでいた運転手が、Cさんの『最後なんだから、お客さんも臨んでいる事だし、必ず一緒に食え』との、半ば命令に従い、初めて食事に同席してくれた。まぁ嬉しい事は嬉しいんだが、別に運転手の事が好きで一緒に食いたいわけではなく(道中殆ど会話ないし)、少しでも人数を多くして沢山の種類の料理をシェアしたかったという理由だったのに、よりに最後のよってラーメンの時にだけ来られても、単に俺が一杯奢る事になるってだけの話だ。喜んでいいんだか空しいんだか、釈然としない最後の晩餐であった。

 さて、これにて長かった(ホントに…)上海〜蘇州食い倒れツアーはおしまい。まさに食い倒れの名にふさわしい飽食の旅であった。年齢が年齢だし、もうあと何回こんな無茶なツアーが出来るか分からないが、周りや読者に本気で心配されない程度にはカマしていこうと思う。

 気付けばこのレポート、書き上げるまでに帰国からなんと二ヶ月半の時間を要した....もうね、アフォとしか言いようが無い。こんなに時間かけるような内容かよと言われると返す言葉も無い。これのおかげでタイミングを逃して書けないネタがいくつ溜まった事か。まぁリアルタイムに書かないといけないネタ以外はこれから徐々に書いていくとするが、これだけ他のネタの邪魔をしてくれると、次のツアーに行くモチベーションが失われてしまうではないか。どっちにしろ、年明け二月いっぱいくらいまでは忙しくてそれどころではないんだが、これからは今まで以上に吟味したツアーにしていかざるを得ない。果たして、それまでに現状溜まっているネタを全て放出出来るのだろうか....まぁ、今これを書きながら聴いてるラジオで(映画シンプソンズの発表会見に)怒ってる宇多丸師匠の激しさに比べれば、俺の不安なぞ、さざ波のごとき感情のゆらめきではあるが。


 つーことで、皆様胃もたれもせず(?)、最後まで読了お疲れさまでした。次は通常の店&自作パスタ紹介でお会いしましょう。


(劇終)

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