welcome!

  • ����p�X�^
  • �␻
  • �I�C���\�[�X
  • �g�}�g�\�[�X
  • �N���[���\�[�X
  • �o�^�[/�`�[�Y�\�[�X
  • �O���[���\�[�X
  • �ύ��݃\�[�X
  • �p�X�^�ȊO�̃s�A�b�g
  • �f��/�H��/�R����
  • �O����
  • �ē�/�z������
  • �C�^���A��/�t�����`
  • �a�H
  • ����
  • �a�����X
  • ��(����)
  • ��(�C�O)
  • ���̑��O�H/�R����
  • G_style
RSS2.0
Movable Type 3.2-ja-2

松坂牛肉焼つる屋@渋谷

tsuruya.jpg

 松坂牛肉焼つる屋。会社の後輩のHが、世田谷に出来た頃から贔屓にしていた店で、以前から話は嫌と言う程聞いていたのだが、どうも俺の好みとは少し違う気がしてなんとなく行くのを避けていた店である。というのも、話の印象から、なんとなく客を選ぶ敷居の高い店という先入観を持ってしまったからである。敷居が高いというのは、別に店主の人柄が悪いという話では全くない。この店、焼きのテクニックに異常なこだわりを持ち、ちゃんと店側で焼いてもらわないと本当の味が楽しめないのだが、一見がパッと入って『さぁ俺のテーブルに張り付いて終始焼け』と言ったって、そりゃ無理だろうという意味である。大体俺の方でもそんな無茶な頼みは気分が悪いのでしたくない。本来自分で焼くのが焼肉店だが、ここは『肉焼店』である(まぁどっちゃでもいいが)。ハナから、自分が焼いてちゃ本来のポテンシャルを引き出せないと分かっているのだから、飛び込みで行くのはナンセンスである。しかし、いい肉が入るたびに店主からメールが入る程の常連Hが連れて行ってくれるのなら話は別だ。終始テーブルに張り付かなくても、暇を見てはちゃんと焼いてくれるだろう。なかなか仕事の都合でタイミングが合わなかったのだが、このあいだ(つっても、タイ出張から帰った翌日に行ったので3ヶ月前の話だがw)やっとHの手引きで行く事が出来た。最近すっかり牛の脂に弱くなった(つっても常人よりは食うと思うが)俺の身体と、自ら競り落として厳選した松坂A5の霜降りとの相性はどうだろうか。

tsuruya_rebasashi.jpg

 手始めにレバ刺し。角は立ってるし鮮度は高い。切り方も厚めでよろしい。親のレバーらしいコクと香りが堪能出来る。まるいの平均レベル(いい時までは及ばない)の味といったところか。値段も840円と、土地柄を考慮すればまぁ相応。


tsuruya_saroin.jpg

 完全におまかせで頼んだのでいちいち部位を聞かなかったが、おそらく特選リブロース。綺麗に脂身を落としてある。これは流石に特選A5肉の面目躍如と行った味。そしてこういういい肉程、焼き方で味が大きく左右される。げんに、店長が焼いてくれたのと俺が焼いたのでは、雲泥の差があった。俺も決して焼肉経験値が低い方ではないと思うのだが、その自信が大きく揺らぐ程味が違う。米沢屋でもその片鱗は感じた(あそこもおかみさんが焼くとさらに美味い)が、流石肉焼を標榜する店だ。


tsuruya_yaki2.jpg

 こんな感じで焼いてくれるのだが、これが非常に勉強になる。同じようにやるだけで、まだまだ店長には及ばないものの、自分の焼きも明らかに上手になった。言葉では説明し辛いので、行った人は是非、多少の無理を言ってでもお願いしてもらって欲しい。焼くというのは、ただ肉に色付けりゃいいってもんじゃない事が良く分かる。


tsuruya_akami.jpg

 この赤身は、多分イチボ。流石松坂、味が濃いわりにはスッキリさっぱり。サッと表面だけ炙った状態が最も美味い。見事なサシの入ったザブトンやミスジも未だ当然好きだが、こういう肉に最近は魅力を感じる。勿論これも安くはないが、自分の中に一種の基準を作るにはもってこいの一皿である。


tsuruya_hire.jpg

 これは、ヒレとカルビかな? 赤身と霜降りの組み合わせ。肉質が良すぎるのか、松坂の特徴なのか、米沢屋などと比べて部位ごとの差がハッキリしていない感じだ。勿論違いは分かるが、この部位ならではの醍醐味というのがやや薄い。単に、とても美味しい霜降りととても美味しい赤身w。特にカルビは思った程感動は無い。サーロインやリブロースとイチボを頼めばいいかなという感じである。


tsuruya_shatou.jpg

 それに対して、圧倒的に凄かったのがこのシャトーブリアン。もう参りましたと言わざるを得ない。これも店長に焼いてもらったが、この熟したかのような味わいの深さ、コク、後味の良さは尋常ではない。この権威主義的な名前は大嫌い(いや、由来になったシャトーブリアン自身はどちらかというと反体制っぽい人だったらしいが)だが、そんな些末な事で敬遠すべきレベルの肉ではない。勿論最高級の松坂だからこそだろうが、焼き方含め、これは間違いなく、俺が今まで食った焼肉のメニューの中でも3本の指に入る、殿堂入り間違いない一皿であった。


tsuruya_hatsu.jpg

 これは見たところギアラ、ハツ、シマ腸だね。この前の一品が凄すぎた上、もう3ヶ月も前の事なので殆ど舌に記憶が蘇らないがw、この中ではハツが、歯ごたえといい、サッパリした旨味といい、クセの無さといい、抜群だったような気がする。ギアラも濃厚でなかなか良かったが、これはじっくりタレに漬け込んだものを食いたかったな。シマチョウは全く覚えてないw。


tsuruya_nabe.jpg

 〆メニューとしてこの店の看板となっている(らしい)、コプチャン鍋。去年のベストにも選んだ、リボンのホルモン鍋と同様のコンセプトの鍋で、味付けも近い。看板だけあって不味くはないが、すでにリボンを体験している身としては、感動する程ではないというところか。あれから何度か同様の鍋を東京でも食べたが、未だにあれ以上の味には出会っていない。


tsuruya_gyudon.jpg

 当然鍋にうどんも入れて綺麗に〆たハズが、なんとなくまだ量的に物足りなかったので、さらにお願いして、店主謹製、裏メニューの牛丼を作ってもらった。気が向かないと作らないらしいw。まぁ常連が居るとこういう時には便利だ。特選カルビを惜しげも無く使ったこの牛丼、流石に絶品。味付けは最小限にとどめてあるため、普通の肉なら物足りなく感じるだろうが、これは肉の旨味だけで充分、むしろ余計な味付けをしないでくれてありがとうと言いたくなる味である。牛丼ってのは不思議な食べ物で、吉野家以上の牛丼を作るのなら、中途半端な出来のものはかえってげんなりする。このレベルの牛丼が出来て初めて存在意義を感じる食い物だ。つまり、ここまで美味くなければ、別に吉野家でいいやという事。吉野家orコレ。その中間にある世の中の大半の牛丼は必要ないと思える。それが吉野家の偉大さなのか。


 この店に行くなら、まずとにかく店長に焼いてもらう事を強くお勧めする。店員の若い兄ちゃんにも焼いてもらったが、勿論俺が焼くより全然いいものの、やはり店長には及ばない。松坂のA5肉というのは、それぞれの部位ごとにレベルが高過ぎる所為か、赤身同士、または霜降り同士での個性が、他のブランド肉よりも少ない気がする。それだけに、その個性を味わう為の焼きテクニックというのは非常に重要だ。素人が焼くと、純粋に美味い肉は食えるかもしれないが、それぞれの個性を出す程繊細に焼き分ける事は出来ない。
 そしてもう一つのトピックはシャトーブリアン。これを店長の焼き技術で食えたのは存外の幸運であった。これを食う為だけに来たのかも知れないと思う程、この店の印象がこれ一色に染まってしまった。勿論〆の牛丼やサーロインなど、他にも印象深い品はあったが、この日この店に居られた事の幸運に感謝するという意味で、この店長の焼いたシャトーブリアンを食えた事以上に特別な事は無かった。

 値段的には決して頻繁に来れるような店ではないし、ふと冷製に店内を見回すと、テーブルも椅子も窮屈で客同士のスペースも狭く、客層もイケ好かない感じの連中が多くて、どうやら店自体に愛着を持つ事は難しそうだが、もし後輩Hから『アレ、また入荷したらしいっすよ』と告げられれば、一も二もなく飛んでいくだろう。

Permalink | グルメ , 焼肉/ホルモン | ▲top