韓国出張報告
先日韓国に出張に行ってきた。仕事で行ったので特にグルメ目的で回った店ではないが、まぁそこそこ美味しかったので食べたものをメモ的に記しておく。店の名前も場所も曖昧なので恐らく何の情報にもならないと思うが、個人的忘備録ということでご勘弁を。
行ったのはソウルから車で30分くらいの工場なので、食事もその近辺でぱぱっと済ませました。一応現地のアテンドには『思いつく限り美味い店に連れて行け』との指示は出したけどw、正直日本で食べられる韓国料理に比べて著しく美味いというほどのものではなかった。勿論日本で美味い(というより本場に近い)と言われてる店と遜色無い味ではあったけど、日本では食べられないレベルかというとそうではないという意味で。つまりそれくらい日本で韓国料理が浸透しているという事ですな。
日本を朝発って昼前に韓国に金浦空港に到着。そのままアテンドに促されるまま行ったのがビビンバ専門の店。ホテルのラウンジにある店で、中はファミレスか地方の安ビジネスホテルのロビーという印象。正直あまりそそらない内外装ではあるが、『サイキンミツケタデスガ、ココオイシデスヨー』という事なので入ってみた。
ビビンバといえば俺は海鮮派。ちゃんと大量の副菜が付いてきて(韓国なんだから当たり前だが)それぞれ美味しいのが嬉しい。イカ、タコ、エビなどの海鮮類はしっかりキムチに漬け込まれて熟成感があるし、辛さも丁度いい(辛いの苦手な相方には無理そうな辛さだが)。トッピングの飛び子もいいアクセント。米は日本のものにかなり近い。アテンドも『コメハニホンノガイチバンオイシヨー』と言っていたので、もしかしたら日本から輸入しているのかもしれない。
一仕事して夜は焼き肉屋へ。『ナニタベタイデスカー?』と聞かれたので『サムギョプサルが食いたい』と言ったら、ホテルの近くにいい店が有るという。連れられるがままに入ると、内装は俺好みの場末感たっぷりな佇まい。全席座敷で薄っぺらい麻の座布団がいい感じ。こんな店でも禁煙というのは意識が高いという事なのか。その割には店員含めた店の空気はなんとなくダラケきっているw。まぁそれがいいんだが。
ここでも肉を焼きながら様々な副菜の小皿がでてきて、そのまま食べてもよし、肉と一緒に食べてもよし。どれをどう組み合わせても外れない。肉自体は日本の三枚肉と一概には比べられないが、一般的な日本の豚ラより密度感があって旨味が濃く感じる。のど越しネットリという感じw。好みだ。さまざまな副菜と食べてみて、どれもそれぞれに美味いんだが、肉自体に旨味があるので結局ごま油と塩が一番美味かった。
カルビもやはり日本の一般的なカルビに比べて密度感(ミシッとした歯ごたえ)があり、旨味も濃い。三枚肉以上に差がある。日本のように過剰な霜が振ってない分、脂っぽさが少ないのがまた食べやすい。それでいて赤身自体に旨味がたっぷり感じられるので満足感は高い。日本で言うと、ハラミのような食後感があるが、ハラミほどクセがない。これはハッキリと日本の一般的な焼肉の方向性よりも断然好みだと感じた。
〆の冷麺。ビピン麺と迷ったが、以前食べた事がある(なんて店で食ったか忘れたが、忘れがたい美味さだった)ので素直に冷麺。小さいサイズで日本の普通の大きさぐらいだった。氷を入れてあるのではなく、スープ自体がシャーベット状になっているため、最後まで薄くならないのが嬉しい。スープも酸味甘み旨味のバランスが絶妙で、あらためて韓国の冷麺の美味さを思い出したが、なんといってもこの麺が素晴らしい。この辺はやはり本場と日本の韓国料理店との間に大きな差を感じる。特に目立った具も入ってないのにこの満足度は凄い。さぬきうどんの満足感に通じるものがある。
翌日昼はフリーだったので、仁寺洞を散歩しつつ適当な店で韓定食を食べるつもりだったが、いい店が見つからず、紆余曲折の末ケジャン(カンジャンケジャンの方)を食べる事にした。日本ではヤンニョムケジャンしか食べた事が無かったのでこれはこれで楽しみである。
韓定食を頼まなくても、例によって副菜が沢山付くのでまぁ問題ない。それよりこのケジャン、パットドゥッ(ご飯泥棒)と言われるだけあってホントにご飯が進む。日本で食ってたヤンニョムケジャンの方も美味いと思ったけど、この醤油漬けの方は別格ですな。甘み旨味、トロッとした舌触りから食後に残る発酵食品独特の雑味までなんとも魅力的な味わい。ワタリガニ自体もともと美味しいものではあるが、パスタにするより鍋にするよりみそ汁にするより、この醤油漬けが一番この食材の味わいを堪能出来る調理法だと思う。
このように、最後はご飯を殻に乗せ、殻にこびり付いたミソやタレと混ぜて食う。韓国の人々も良く分かってらっしゃるとしか言いようの無い食べ方。これ以上無い至福の〆方である。
腹ごなしに引き続き仁寺洞ストリートの店などを冷やかしていたら、大声で変なパフォーマンスを繰り広げながら得体の知れない麺らしきものを作る若僧二人を発見。どうやらお菓子を作ってるらしい。飴のような生地を繰り返し倍々に引き延ばしながら、最後は18000本になるまで引っ張る。そのきん糸のような細い生地の束を具材(アーモンドやクルミ)に巻きつけて一個のお菓子にする。かつては宮廷御用達のお茶菓子だったらしい。
気になったので買ってみた。よくもまぁこれだけ細く延ばしたもんだ。材料は良く分からないが、小麦と飴の中間のような食感。細さのおかげで非常に独特の舌触りになっている。口に入れた瞬間フワッと溶けて無くなるのかと思ったら、結構頑固に口の中に残るので期待した味とは多少違ったがw、甘さも控えめでなかなかに美味しい。『歯に付かない』との触れ込みだったが、多少はくっつく。
とまぁ、いかにも出張のついでと言う感じのとりとめの無いツアーであったが、それなりに楽しめたのでよしとする。今週はいよいよ待ちに待った上海〜蘇州4泊食い倒れの旅に出るので、是非そちらのレポートを期待して頂きたい。現在色々とプランを練っているが、とても4泊では足りない程盛りだくさんな内容になりそう。乞うご期待であります。