たか嶋@沼津
明けて翌日の朝、再び市場に繰り出して今度はたか嶋で寿司&天ぷら。近くの有名店双葉寿司の支店としてもう開店25年になるという。朝8時も回っていたのですでに店内は落ち着いていて、初めて訪れるという事もあってまずはゆっくりテーブルで普通にセットの寿司を食べる事にした。何故なら、前評判を聞いて寿司より天ぷらの方に興味がいったからである。どうせまた来るだろうから、その時は市場関係者で賑わうもっと早い時間にカウンターで食べる事にしよう。
寿司屋ってのはなかなか厄介なもんで、どうしてもある程度のスキルというか、魚に関しての造詣だとか知識だとか、食う側のレベルによって楽しめる度合いも変わるし、またその店にどれだけ通ってるか、どれだけ店を知ってて、また店に認知されてるかによっても変わってくる。つまり何度か通ってその店、主人を知らなければその店の価値は量れないし、量ってはいけないだろうと思う。これは別に寿司屋の狭量さを言ってるのではなく、純粋に寿司という食い物を楽しむなら、それが遠回りなようで一番確実な方法だと俺は考えているということだ。
勿論今では寿司=高級食となっているので、そんなに頻繁に食いに行けるものではないし、かといって回転寿しに行っても仕方ない。最近ではそこそこ高級なネタを使った、値段も味も中途半端な回転寿司もあるが、そんな所こそ一番行く意味がない場所だろう。だが、このblogを読んでる人なら分かると思うが、高い金払えば美味いものが食えるなんて時代はとうに終わってるのだ。ただひたすら自分の足と情報収集力を駆使して見つけるしかない。北品川をはじめ、色んな頭のおかしいw店たちを知ってしまった今、値段の高い安いはそれほど信頼出来る目安ではない。
話がそれた。店を知るという意味で一番手っ取り早いのは常連に連れてってもらう事だが、基本的に俺は何でも自分で開拓していきたい人なので、特別な事情が無い限り人に連れてってもらう事は無い。だって、食い物に限らず何でもそうだけど、発見して、掴んで、徐々に自分のものにしていくプロセスこそが一番おいしい部分じゃない。色恋と一緒w。
さて、これがたか嶋の握りである。一番安いお任せを頼んだので見た目も寂しいw。だが今回はこれでいいのだ。基本的な、どこにでもあるネタで食って距離を測るというか、とりあえずまずは挨拶というわけだ。
まず、ネタもシャリも全体に大きめ。ネタは厚く新鮮、シャリは人肌より若干冷めて、やや柔らかめ。この中では卵とキハダがとても美味しい。卵は焼きたてではないが、作り立ての美味さを十分想像出来る。甘みの加減と歯ごたえが好み。俺はスポンジみたいな卵焼きは好きではない。このようにジューシーでもっちりしてないと。そしてキハダのネットリ感は素晴らしかった。キハダって関東ではあまり食べられないけど何故なんだろうね。俺は本マグロの赤身より好きなんだけどな。
ともかく、寿司に関してはやはり評判通り、カウンターで職人の勧めに乗って食えばさぞかし楽しめるだろうなとの感触は得た。何しろこれで800円だもんな。市場関係者に人気が高いのも頷ける。
寿司をセーブした事でこんなのを追加で頼めるw。結局天ぷらでなく天丼した。これは美味い。市場食堂のBな美味さもいいが、これはしっかり技を感じる美味さ。軽い衣に甘めの濃いタレもいい。ネタも鮮度を感じる。特にキスのホクホクの身がたまらなく美味い。これの天ぷらだけを塩でひたすら食いたい衝動に駆られる。寿司食った後なのに、しかも朝8時なのにw一気に食えてしまったのは、単に俺の胃袋の元気さだけでなく、この天ぷらのネタの鮮度と衣の香ばしさの所為だろう。実に満足して店を出る事が出来た。
という感じで最後は見事に着地が決まり、大満足で沼津インターから高速に乗ってそのまま家路につき、午後からはもう教習車に乗っていたという、『さっきまでの美味いイタリアンや天丼は夢か?』と感じてしまうほどなんとも強行軍な旅でございました。しかし気分はすっかりリフレッシュ。これからはこういう近場の市場(+温泉)を巡る旅を月イチくらいでやろうかなと思っております。さて次はどこ行こうかしら。
(完)