レバーペーストとほうれん草を詰めたココア風味のカンネローニ 色々キノコソース添え
久々に焼き物系パスタ料理を作ってみた。カンネローニっつーのはつまりでっかいマカロニ。その中に詰め物をしてグラタンのように焼いて食べる。地方によって色々な作り方あるらしいが、一番オーソドックスなのはリコッタチーズとほうれん草を詰めて、モッツァレラとパルミジャーノチーズ、バターを乗せて焼いたもの。今回は先日作ったレバーペーストと炒めた牛挽肉、ほうれん草をフードプロセッサにかけて詰め物にして、先日Vietriさんから入手したセモリナ粉で打ったココアの生地で包んでみた。ソースはポルチーニはじめ色々なキノコを炒めてワインとポルチーニの戻し汁で煮詰めたもの。上に乗せたモッツアレラは本当は燻製にしようと思っていたのだが、タイミング的に乾燥時間が足りずに断念。仕方なくそのまま焼いた。次は自分で燻製にしたチーズで作ってみようと思う。
このレシピは、数あるレシピ本の中で俺が最も信頼するトルッキオ林氏の"Deep Pasta"のレシピを参考にした。今となっては滅多にレシピ本は見ないけれど、この本だけは未だに何も作る予定が無くてもつい見てしまう、非常に刺激的な良い本です。写真見てるだけでムラムラと創作意欲がかき立てられる。
実は俺はこの林氏の店、トルッキオにはまだ行った事が無い。いや、機会が無いのではなく、敢えて行ってないのだ。恐らく今の俺が行っても、最大限この店の料理を楽しめないだろう。何故ならこのDeep Pastaを読む度に、(技術的レベルは言うに及ばず)俺のパスタへ偏愛はまだまだだなぁと思い知らされるからである。いつかこの人のように心底パスタを、まるで自分の分身のように愛せるようになってから胸を張って行こうと思っている。
余談だが、今まで俺が色々なレシピ本を読んだ中で、最終的に最も参考にするレシピ本三冊というのがあって、このDeep Pastaと、とピエロさんのリーゾ!、そして最後にモツ・キュイジーヌという内蔵料理の本。いずれも柴田書店の本で、いずれも食材や料理に対する著者と編者の過剰なまでの愛が紙面に溢れている。例え実際に作らないとしても、読み物や写真集としてつねに手元に置いておきたい3冊である。