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ゆうじ@渋谷

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 数年ぶりにフラリと訪れてみた。まぁ、ここの事を今更俺ごときが紹介したって仕方ないほど有名な店ではあるが、何年経とうがこの地区(もっとも、エリアを都内に広げたって有数だけどね)で臓物系と言ったらここ以上の店は無いのだから、このblogの彩りというかw、俺のこの店へのリスペクトを表明する上で紹介する意味もあるだろう。勿論どんな人が行っても満足出来る質の物が出てくるのは間違いないが、同時に俺のような、好き過ぎて多少ネジ曲がってしまった臓物好きwもひれ伏す懐の深さがこの店にはある。しかも進化を続けながら、何年も変わらずにそれを維持し続けているのだ。
 これも一つの愛の形である。肉、臓物への、ゆうじさんの限りなく深い愛情をして、それをなし得ているのがよく分かる。少なくとも、ここまで内臓の部位ごとに特徴をきめ細かく捉えて、それぞれに最適と思われる処理を施している人を俺は知らない。注意深く食えば、『この部位はこういう特徴があるので、こういう味付けと処理で、こうして食うと美味しいよ』と教えてくれる、一種の教育番組的楽しさすら味わえるw。興味の無い人にとってはどーでも良い話だが、そういう人も、ただ出されるものを美味しく食べているだけで、店を出る頃には自動的に潜在的モツ通となっているだろう。他の店で食った時に、その力の差に触れて初めてそれが如実に分かるのだ。

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 なにはともあれ、まずはこれだろう。ここのレバーは、俺が都内No.1と思っているまるいのレバーや、他にもあばらや、鈴木屋などの高いレベルのレバーに共通する弾けるプリプリ感というものが無い。逆にねっとり舌に絡み付くような、とろける濃厚さがあるのだ。恐らく意図してそういうものを選んでいるのだと思うが、そういう意味で俺にとっては、ここでしか味わえない孤高の美味さというイメージがある。


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 ハツ刺しもやはり、ハツらしいしっかりした歯ごたえの中にも、しっとりした絹のような滑らかさを感じる素晴らしいもの。そしてこれにかかってくるタレがまた素晴らしいのだ。何か煮汁を煮詰めたものだろうか。長年かけ継ぎして作ったうなぎのタレのような、深い甘みとコク。主張の強いこのタレも、しっかりしたハツの素材の良さによって見事にバランスを保っている。


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 定番のモツ煮込み。根野菜を煮出して出る甘みが強く、これも他の店とは少し変わった毛色の魅力を持った煮込みだ。俺の好みからすると少しマイルド過ぎるが、当然その辺のモツ煮では束になってもかなわない完成度。


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 これはフワといって、牛の肺の部分のこと。この部位の煮込みは以前宇ち多”で食べた事があるが、焼き物は初めて。これがまた名前の通りフワッとしつつ、クニュッとしつつ、適度な歯ごたえもある未知の食感で独特の美味さ。下の写真の様に、白いアワが細かく吹いてきたらひっくり返すのがいいそうだ。これも話の種に試してみることを勧める。


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 ハツモト。ハツ(心臓)から出ている太い血管を、脂肪を除いて短冊状に切ったものだ。コリコリとした個性的な歯ごたえが楽しめる。内臓らしいクセがそれほど感じられないので、誰にでも楽しめるものだと思う。ハツモト自体、他店でまだ2、3回しか食べたことが無いので、どこのが一番美味いなどとはなかなか言い難いが、その店にこれがあるというだけでそれはもう既に一定以上のレベルの店と言う事になるだろう。


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 もはやおなじみのギヤラ(第4の胃)。ギヤラという部位程、店によって美味さに差が出る臓物も無いだろう。ギヤラ独特のトロトロ感と脂の旨味は他に変え難い魅力がある。出てきたばかりの頃は、どっか他の部位を(無知故か)ギヤラと偽って出していた店もあったがそれは論外としても、その質によって駄目な店といい店の差がはっきり出る部位だ。そういう意味でここのギヤラの脂の濃厚な旨味は、しっかりとした目を持って選ばれている事を伺わせるものだった。久しぶりに『ギヤラ』を食った気がした。


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 ミノサンド。腸により近い方の、脂が層になっているミノの事だ。ホルモンのトロトロ脂とミノのシコシコ感が両方味わえるお得な一品。ただしここや名門あたりのレベルのミノサンドになると、単純に1+1=2にはならない。それらが口の中で渾然一体となると、単にミノとホルモンを一緒に口に入れたのとは大きく異なる魅力が生まれる。ミノの心地いい食感を楽しむほどに口に広がる、えも言われぬ濃厚な脂の甘さ。塩でいくことでその魅力が全開になる。


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 俺の場合、この辺でようやく正肉に近い部位に突入する(正肉じゃないけど)。ここのハラミを一言で言うなら、美しい。綺麗にサシの入ったその姿だけでなく、味が美しい。ハラミの個性的なクセのある旨味を期待すると少々肩すかしを食うかもしれないが、しっかりあの特有の旨味を残しつつ、クセを全く感じさせないここのハラミもまた、ゆうじならではの逸品といえる。


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 ハラミで少し気持ちを戻した(どこに?)ところで、再び個性の強いものを。このツラミも、モツ好きワールドの住人以外は楽しめない素晴らしき世界がある。コリともクニュとも違う強めの歯ごたえは、世界のどの食べ物とも違うツラミ独特のものだ。俺はこのツラミの片面をあえて焼き過ぎくらいにして食うのが好きだ。


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 ノドシビレ。胸腺、つったってどこか分からんよなw。人間だと胸の中央寄り、鎖骨の付け根の下にある。欧州では子牛のものはリードヴォーとか言ったりもする。しかし、一体どれくらいぶりにこのシビレを食ったのだろうか。狂牛病騒ぎ以降、本来は低感染部位にあたるシビレも危険部位と勘違いされて(というか内蔵全般か)どこも自粛していって食えなくなった。それ以来の事だ...って一体いつの話だという感じだが、本当にここ数年食えてなかった。久々にあのえも言われぬクニュリッとした食感と白子のような濃厚さに出会えて、それだけで満足である。


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 本日唯一の正肉w。ここは勿論正肉も美味いのだが、ここに来て正肉やタンばかり食うなんて勿体ない事は俺には出来ない。これだけの魅力的なモツ類が揃っているのに。このカルビは、ちょっとミスジに近いような感じがするのだがどうなんだろうか。いやどっちにしたって美味いものは美味いんだが。


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 そして〆に持って来るにはあまりにも濃いwコプチャン。俺はここのコプチャンの脂の余韻をいつまでも引きずりながら井の頭通りを歩くのが好きなのだw。コプチャンは俺がこの店で最も好きな部位だ。このタレの味付けなどを含めた下処理も合わせれば、俺の中で東京一のコプチャンはここのものだ。それくらい凄い。実は大垣の某ホルモン屋のホルモンが(網に乗せると天井まで届きそうなくらい火を噴く)が俺の中では牛腸部門(って何だそれw)No.1なのだが、それに次ぐ美味さ。トリを飾るに相応しい逸品なのだ。ただしあまりに濃厚なので、普通の人は真似しない様にw。


 アレルギーなどの体質的理由なら当然致し方ないが、どうやらこの世の中には、『内臓系苦手!』などと宣うとっても可愛そうな連中がいるようだ。しかし意外とその多くは、コジャレたイタリアンなどに行くと平気でトリッパやテールの煮込みをそれが何かもよく分からずに『美味しい〜』とか言って喜んでたりするところを鑑みるに、どうやら単なる好き嫌いであるようだ。勿論内臓の場合、処理に技術も手間もいるし、何より時間(鮮度)との勝負という側面もあるので、中にはどうしようもないもん出してくる店も少なく無いし、実際そういう店に当たって食えなくなってしまった人も少なく無いと聞く。そういう人は是非ハンズの帰りにでもフラッとこの店を訪れて欲しい。ここで駄目なら、それ以降の人生において、無理して内臓系を食う必要は金輪際ない。しかし、そういう人がモツ焼きの素晴らしさを楽しめるようになる可能性のある最後の砦、ここはそういう店だ。

Permalink | グルメ , 焼肉/ホルモン | ▲top