パッケリーニ・リガーティのカンパーニャ風ラグー・ジェノベーゼ
この日のスペシャスパスタ会のトリを飾るのは、これまたEri-tinお手製の豚フィレ肉のラグーソース。脂の少ないフィレ肉を、玉ねぎと牛乳で数時間煮込んで作る。バジルと黒こしょうの効いた甘みの強いこの煮込みソースは、ナポリなどカンパーニャの方で『ジェノベーゼ』と言ったらこれなのだそうだ。我々の知っているジェノベーゼとはかなり違うが、日本でも『関東の関西風』とか、『名古屋の台湾風』とかwあるように、かの地でもその土地に見合った変化を遂げた地方料理は色々あるのだろう。このソースに合わせるパスタは必ずパッケリ。生憎パッケリーニ(パッケリの一回り小さいもの)しかストックが無かったのでそれに合わせたが、なるほど絶妙のコンビネーション。Vietriのパスタはここでもしっかりと存在感を示していた。
このメニュー、初めて食べる味なのに、昔食べたおふくろの味を想起させる懐かしさに溢れている。この一皿も、恐らく現在の日本の多くのイタリアンレストランでは食えないであろう事を考えると、まさに一期一会の味だ。序盤の和風パスタから超イタリアローカルなこの煮込みソースまでが一晩で味わえる。ここまでスペシャルなパスタ・パーティはイタリアでも日本でもそうそうないだろうと思う。今日は本当に凄い日になった。