手打ちオレッキエッテのアマトリチャーナ
お次は、これも念願だった岸本姉a.k.a.Eri-tinとのコラボパスタ。イタリアで学んできたばかりの手打ちオレッキエッテを彼女にその場で打ってもらい(捏ね台制作が間に合って良かった)、イタリア土産グアンチャーレを使って、シンプルにトマトソースで絡めたアマトリチャーナ。ソースの仕込みは俺だ。そしてとどめに振りかけるのは30ヶ月熟成のパルミジャーノ。これだけの材料がそろえばどうやったって不味いわけが無いんだが、これは美味い一皿を作るためというより、Eri-tinと俺のライブを楽しむということに意味があったので、そういう意味でこれまでとは違う、ひと際有意義なものになったのだ。
上が、Eri-tinが打ったオレッキエッテ、下が旨味抽出中のグアンチャーレ。手打ちのオレッキエッテは粉と水、若干の塩だけで作る、本当に素朴な味わいの滋味深いパスタだ。粉の味わいと食感を楽しむにはこれ以上の形は無い様に思う。一個分の生地に切ったあと、奥を指で軽く押さえながら手前にナイフで擦り付けてこの耳たぶ形状を作るのだが、向こう側を押さえないとカヴァテッリになる。これだけでも覚えれば店ができるのだはなかろうかw。しかしこのグアンチャーレの脂の濃厚な甘みといったら....
完成。つい勿体なくてパスタをケチったのか、スープパスタのようなビジュアルになってしまったのが悔やまれるw。ストックしてあったトマトソースはじっくり煮込んだこくのあるタイプのものだったので、グアンチャーレの甘みとオレッキエッテの食感と風味を生かすために、湯剥きして種を取ったトマトを包丁で叩いて加えて爽やかな味に振った。この日のパスタはどれもそうだが、その日その場所でしか味わえない一皿。贅沢といったらこれほどの贅沢も無いだろう。プライスレスというのはこういうことを言うのだなと実感した。