オイルサーディンと茄子、干し山ぶどうとカボチャの種のパッパルデッレ
和食ではあまり考えられない事と思うが、パスタでは缶詰や瓶詰めを積極的に使う事が多々ある。というより、むしろ缶詰でなければならない場合もある。アンチョビなんてのはその最たるものだろう。このオイルサーディンという食材も、生のイワシでは出せない独特の風味が、うちのパスタには欠かせない食材となっている。勿論缶詰なので、そのままでは缶詰特有の臭みがあるゆえ、色々な処理をしてその旨味だけを抽出しようとする。ここでは原形をとどめないほど崩して炒めたあと、ワインと香草で煮込んでいる。食感のアクセントに使ったのは長野物産展で買った干しやまぶどうと、カボチャの種。ぶどうの方はレーズンよりも小粒で上品な味、カボチャの種も驚く程風味が良くてそのままでも美味しい。この皿もウチでは定番のメニューだ。意外なほど濃厚なので、Vietriの肉厚なパッパルデッレ・カザレッチェが良く合う。