Bel Paese@青葉台
いつものようにウチでパスタ会をやった(今回は自分でも久々に会心の出来だった)土曜日の雨模様とは打って変わって、気持ちいい青空が覘く絶好の教習日和w。朝から二時間ほど乗り、『さてランチはどうしよう』と、雑誌をめくりつつ思いあぐねながら相方の車で教習所界隈を流していて、『そういえば、沿線に真のナポリピッツァ協会認定店が出来てたなぁ』と、はたと思いついた。天気もいいし、いっちょもえぎ野方面まで足を伸ばしてみるかということで、たどり着いたのがここBel Paese。日本では16店中14番目に認定を受けた比較的新しい店だ。
流石に休日の青葉台。通行人も無意味にハイソだ(最近近所でOLが刺されたウチの近くの殺伐さ加減とは大違い)。食い物屋もコジャレたのから庶民的なものまで充実してる。坂を上れば上るほど家も大きく人も小綺麗になっていく無言のヒエラルキーが、外様の俺にはなかなか笑える。
そんな坂の中程に店はある。外から中をうかがうと、シンプルで綺麗だが気取らないフレンドリーな雰囲気も見て取れる、居心地の良さそうな店だ。この日はスタッフがシェフらしい男性と、ピザ職人兼フロアスタッフ(!)の女性(奥さん?)だけで、てんてこ舞いらしく既に空いてるテーブルもあるのになかなか入れない。しかし、ピザ焼きで忙しい中、わざわざ外に出てきてその旨を丁寧に説明してくれて実に親切。まぁ当たり前の事かもしれないが、説明する姿が、辿々しくも本当に済まなそうで、誠意は十分伝わってきたので待たされても嫌な気は全然しなかった。これだけでも、良い店だというのが良く分かった。
昼はピッツァかパスタのランチメニューのみで、それぞれ3種類から選べる。折角なので俺はパスタ、相方はピッツァを頼んでみた。セットは値段で二種類分かれ、飲み物付きの1200円のコースと前菜、デザートがついた1500円のコースとある。この辺の標準価格なのか? ランチとはいえあまりの値段の安さに軽く不安を覚えるが、初手に出てきたゼッポレを食ってその不安は希有に終わった。ゼッポレとは写真のような丸めたイースト生地(ここのは酵母だが)に海藻(青のり?)を混ぜ込んで揚げたお菓子である。イタリアでは地方によって米だったり蜂蜜かけた甘いものだったりクリームが入ってたりと色々あるようだ。ようするに、これを食えばその後に出てくるピッツァの生地の出来がうかがえるという寸法だ。流石真のナポリピッツァ協会認定店、モチモチ感と塩加減はなかなか絶妙である。
そしてお待ちかね、まずは相方の頼んだ『釜揚げシラスとモッツァレラ』のピッツァ。見た目はまぎれも無くあのモチモチ感を想像させる綺麗な様相。香ばしい香りも何とも言えない。こらえきれず頼んだ本人より先に手を付けてみると、想像したほどモッチリした感じは無い。しかしその分フンワリ感がまさっていて、表面のパリパリもムラがなく繊細な歯触り。塩味も嫌みでなく上品。ピッコラ・タヴォーラやパルテノペなどとはまた違った、女性の作り手らしい丁寧さと繊細さが感じられる。個人的にはもう少し男性的な方が惹かれるが、これはこれでなかなか美味しいし、何よりこの土地柄(つーか客層)に合っているような気がする。今まで食べた中で一番とは言わないが、車で10分や20分で行ける距離にあれば足しげく通いたくなるレベルだ。讃岐うどんの『綾』が家から近い嬉しさと同等と言えば分かるだろうか。つまりかなり気に入ったという事w。
対して俺の頼んだ『ポルチーニ・セッキと豚挽肉のラグー』のスパゲッティーニ。麺はバリラかな? こちらもピッツァに似て実に優しい味付けで油加減もいい具合でとても食べやすいが、pasta-manを名乗るものとしては正直凡庸と言わざるを得ないw。勿論街のイタリアンとしては十分だが、麺はもう少し固めでもいいかな。ソースは、俺とは違ってwちゃんとイタリアンの手法に乗っ取った真面目な姿勢がうかがえる。食べてみた相方曰く『普段いかに凄いパスタ食わされてるか分かった』とのお褒めの言葉が....って駄目だ、別に自慢したい訳じゃないw。人んちのパスタについて書くのはもうやめようかな。
これらにサラダと飲み物が付いて1200円。なんだこの良心的過ぎる価格設定は。しかも夜は2600円(内容はランチの1500円とほぼ一緒のようだが、選択肢が広く勿論アラカルトもある)って.....ワインも2000円代が充実してるようだ。ハッキリ言って、この店があれば半径3km以内のピッツェリア、トラットリアは全く必要ないと思われる。パスタはともかく、1200円でこのピッツァが食えるなら、あまり値段の事は言いたくないが、この沿線でも間違いなくお勧め上位に入るだろう。にも関わらず外の一人客は、俺らが待ってる間も俺らが店を出るときも、ピザ一切れ片手に持ったまま延々と携帯弄って一向に食べ進まないし(何故熱いうちに食わん!)、俺らの隣の席の身重と思われる若奥様は、ピッツァのいわゆる『耳』の部分を全部残していた(食うべきところはむしろそこだろうがよ)....おい、それ黙って俺によこせw。残念ながら、店の良さに比べて客の方は『近所にこんなにいいナポリピッツァの店がある』と言う有り難さはまだ分かってなさそうだが、そんな連中にはとりあえず気づかぬフリして、これからもどうか頑張ってますます美味いピッツァを提供し続けて欲しい。
Comments
あ。ここ大学時代よく行った。
渡り蟹のパスタが美味しかったような。。
そんな思い出。
Commenter: rei | 2006年10月30日 16:30
へー、レイちゃん青葉台近くの大学だったの?
その辺だと桐蔭か日体大しか思い浮かばないがw。
真のナポリピッツァ協会の認定受けたのは最近だと思うけど、
店自体はレイちゃんの大学時代からあったのか〜。
もっと最近出来た店かと思ってた。
大学時代を懐かしむついでに今度言ってみれば?
ピッツアなかなか良かったよ。パスタはうちで食えばいいけどw。
Commenter: pasta-man | 2006年10月30日 18:15