河原町サロン@河原町泉屋
仮眠のお陰ですっかり復活して、意気揚々と岐阜の河原町へ。今回の旅のメインイベントに参加させてもらいに、泉屋さんを訪れた。6月以来の再訪である。6月に行った時は、目から鱗が何枚も落ちる程の鮎料理を食べさせてもらったが、今回は岐阜伝統食品の会の定例会である『河原町サロン』の会場としてである。リンク先の蒼々たる面子を見よ。吉兆などの名店に味醂をおろす白扇酒造、前述の泉屋、ブルータスのお取り寄せ特集で見事一位に輝いた熟成白カビサラミのキュルノンチュエ、下戸の俺でもしばしばそのラベルを目にする三千盛等....昨年から岐阜(というか養老w)に良く行くようになり、しばしば岐阜のものを口にするようになったが、これほどまで独自の高い食文化があろうとは、己の不明を恥じるばかりである。
そのような面子の揃う会の会合である。当然普通の寄り合いのわけが無い。この河原町サロンとは、定期的にそれぞれの会社が様々な自慢の逸品を持ち寄り、色々な形に趣向を凝らした料理として供され、それを立食スタイルで限定50人の参加者に楽しんでもらう事を通じて、もっと広く岐阜の高い食文化を知ってもらおうというコンセプトのサロンである。俺が今回参加させてもらった1月の会は、地物のイノシシや鴨、鹿料理を中心にとした、言わば和風ジビエといった趣向であった。
前置き長くてすんません。では、レポートをどうぞ。あらかじめ言っとくと、相当凄いよw。あまりに凄すぎてもはや順番を覚えてないので、紹介は順不同で。
まず、序盤のテーブルの様子はこんな感じ。写真だとまだ静かな印象だが、ここに次第に大皿に盛られた数々の料理が並んでいき、それにつられてガーっと人が群がっていく様は圧巻であったw。
これはイノシシ。殆ど味付けしないで炭で焼いただけのものだが、これが驚く程濃厚かつクセがなく食べやすい。本当にイノシシなのか? つーか今まで東京(墨田区の某店とか)で食ったアレは一体なんだったんだ? といいたくなるほどの異次元の味。まさに『これが本物のイノシシです』ということなのだろう。いきなりテンションMaxである。
続いてキュルノンチュエさん謹製、サーモンの薫製である。これは今年初めて試験的に作ってみたもので、まだ売り物ではないらしい。いきなり外様の俺がこんなレアなもの食っていいのだろうか? キュルノンチュエの熱烈なファンにはたまらない逸品だろう。味と香りは勿論最高。特にこの香りだよなぁ。永遠にしゃぶっていたい衝動にかられる....(ちなみにその後、今回呼んでくれたG君のご好意で、この非売品サーモンをお裾分けしてもらえる事になった。Yesssss!!)。
この日は残念ながら熟成白カビサラミは出ませんでしたが、俺は勿論、山岡さんご本人がいらしたので直接購入しました。後日届いたのだが、箱を開ける前からぷんぷん漂う香ばしい山小屋の香りに思わずほお擦りしてしまった。宅急便のあんちゃんはたまらなかったろうなぁ....
これは泉屋さんの子持ち鮎のなれ鮨(左の黄色)といかだばゑのなれ鮨(右手前)である。なれ鮨というとあの独特の臭みと酸味でかなり食いにくいと思ってる人も多いと思う。フナ鮨とかね。しかしこの二つは全く違う。まろやかでクセも弱く、酸味もマイルド。そして濃厚な旨味。そしてなによりも『丁寧に作ってるぞ』という味なのだ。上質の白カビチーズを思い浮かべてみればいいと思う。食べた瞬間『これでパスタ作りたい!』と瞬時に思ったもの。こんなに美味いなれ鮨は初めて食べた。これも思わず購入。
次は奥美濃産?の鴨ロースのロースト。これは燻してあるのかな? 高級なハムのようなしっとりとした柔らかい食感と香りで、しかししっかり鴨のあの旨味が感じられる。うーむ、うなるしか無いっす。実際現場では本当にうなるしかしてなかったと思うw。
これはなれ鮨と一緒に出てきた鮎のパテ。レバーペースト等と同じノリでバケット等に付けて食べる。これもまた嫌になるくらい美味い。鮎のあの鮮烈な味わいも仄かに感じさせつつ、レバーペースト等より後口さっぱりで残らない。これも思わず購入w。うちの自家製パンに付けて食うのが楽しみである。
鹿肉のカルパッチョ。というかタタキ。今までで一番感動した鹿肉が、岩手出身の会社の同僚の親父(猟師)が撃ってきた鹿肉であったがw、それを食った時に勝るとも劣らない味だ。イノシシもそうだが、この手の野生の肉は得てして臭みが強いと思われがちだが、それは経年劣化によるものであって、本当に捕りたての肉は、どんなブランド肉も凌ぐ味なのだ。
そしてその後ろに写ってる赤いかぶの漬け物。これかな? これがまた絶品であった。最後に余ってたので、相方と分けてもって帰ったw。ここの社長も良い人だったなぁ。娘さん大丈夫かしらw
〆は泉屋のご主人が作ったシジミの雑炊。昨年のベスト20にも選んだあの鮎ラーメンを彷彿とさせる、コクはたっぷりなのに穏やかで滋味深いスープ。いやぁ、贅沢この上ない。
最後にドルチェw。今回俺を快く招待してくれた、ホスト役である田中屋せんべいさん謹製の生どら焼き。以前初めて『帰りの電車(のぞみ)で食って』とお土産として3つほど貰ったときは、名古屋で食い始めて、隣の駅を通過するまでには食い終わったというw。また食えて嬉しかったのう。
ということで、都合3時間程だったかな。楽しすぎ&美味しすぎであっというまの夕べであった。これだけの為に岐阜まで行って良かった。呼んでくれたホストのG君初め、伝統食品の会の皆様、楽しい&悶絶的に美味い時間をありがとう。今年の目標は、この会のメンバーの各会社や店を直接訪れて回る事に決定しました。
余談1:その後、今回のホスト達による打ち上げにまで参加させて頂いて、貴重なお話を色々と聞かせてもらってなんとも楽しい夜だった。ちなみにうちの相方は横で酔っぱらって三千盛さんに終始よく分からない絡み方をしていたがw、それににこやかに穏やかに対応する三千盛さんのカッチョ良さといったら....ビジュアルは勿論、立ち居振る舞いや口ぶりまで全てが品の塊のような人であった。必至こいてLEONとか読んでアイテム揃えてもこういう風には永遠に慣れないよ、オッサン諸君。まぁ勿論俺もなれないが。
余談2:オバハンはどこに居てもやはりオバハンだったw。出てきた料理に一瞬で群がる様は、デパートのバーゲンさながらであった。しかも俺みたいなキャラの人間は物珍しいのか、酔いも手伝って何度頭を撫でられ、挙句ケツまで触られた事か....まぁ総じて楽しかったからオールオッケーだが。
余談3:ああいう、ある意味選ばれた人々が集まる場であっても、マナーを守らない奴はいるんだよな。上のオバハンみたいなのは全然許せる(むしろ見てるの楽しいし)けど、禁煙って書いてあるのにタバコを吸った挙句、灰皿を要求して色んな意味で周囲を煙たがらせる親父とか。ホストの方が怒るのも無理ない。
あそうそう、ちなみに次回はこんな感じらしい。う〜ん、これもなかなかに魅力的。行ける人がいたら絶対に行った方がいい。そしてついでに養老の肉も食ってくるといいよw。